年下彼氏

Nobuyuki

元カレとの出会い

 加藤みずき(29歳)は、7年ぶりに偶然元カレと再開した。

みずきの働いている職場に、転勤してきたのだ…



 みずきの会社のいつもの朝礼。

毎日代わり映えしない同じような朝礼だが、

途中で二人の社員が入ってきた。

「こちらが、神奈川店から赴任して者です。ご紹介します」

 途中から入って来た、男の一人が紹介した。

「成田創です。以前は神奈川で勤務していました。ほとんどデスクワークなので、あまり接点はないんですが、よろしくお願いします」

男は頭を下げた。


(成田創って…)

創もみずきに気がついた。


朝礼が終わって、みずきは、創に歩み寄った。

「久しぶり」

「元気だった?」

「うん」

2人は笑顔だった。



出会いは7年前。

みずきと創は、同じバイト仲間だった。

みずきは、可愛くふんわりした印象で、当時22歳。

創は、しっかり者で、雰囲気がある、当時20歳。

創の方が年下だったが、先に働いているし、バイトリーダーだったので、立場は上だった。


今思えば、初対面の時にお互い何か感じていたような気がする。

そんな感じはしたが、みずきも創も他に付き合ってる人がいた。


一年後、みずきはバイトをやめる事になった。

何人かで送迎会をひらいてくれた。

朝までカラオケ屋で完徹して、その後流れで

このまま、車で3時間くらいの所にある、有名なラーメン屋に行こうということになった。

「みずきさん、車、持ってるんでしょ?それで行こうよ〜」

「行こう行こう」

変なテンションになって、3人で行く事になった。

「運転かわりばんこね〜」

「は~い」


「わ~田舎道〜!」

「俺、スピード出せないタイプなんだよね」

創が言った。

「私も。ま、ゆっくり行こ」

完徹なので、運転しない人は寝ることにした。

メンバーの1人の山瀬が運転しているとき、創は助手席に、みずきは創の真後ろの席に座っていた。

「みずきさん、彼氏と別れたって?」

「それ聞く?」

「何で、別れたの?」

「だらしないからって振られた…」

「…几帳面な人だったんだ」 

「そうだったみたいだね」


「喉乾いたな…」

「そうだね」

「後ろにお茶ある?」

「んー…」


創は、手だけ後ろの席のみずきの方に伸ばした。

「…」

みずきは、よく分からず、手をぽんと乗っけた。

「え?お茶…」

創は笑った。

「あっ!ごめん」

みずきは急いでお茶を探して渡した。

(恥ずかしい…)

それと同時に、創の指にはしっかりとペアリングがはめられているのに気がついた。

(彼女と仲いいんだな…)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る