フェルフォードの石板〜宝石とアーティファクトを探す旅レアストーンを探し出し獣人の国を守れ〜
碧絃(aoi)
第1話 白猫のララ
中学2年生の、僕の日課は、学校帰りに神社に立ち
とは言っても、別にお
「ララー!」
名前を呼んで、猫用のおやつを、ポケットから取り出す。今日はペースト状のおやつで、ほたて貝柱味だ。
僕が石段に座ると、木の
彼女は、この神社に
「はい、どうぞ」
僕はおやつの
猫って、なんでこんなに可愛いんだろう。どうせ家に帰っても誰もいないし、ここでララと遊んでいた方が楽しい。
少し前までは、学校から帰るとゲーム三昧だったけど、今はスマホもタブレットも取り上げられている。ゲームの課金はおこづかいの範囲でやっていたけど———。ついつい夢中になって、いつの間にか、いつもの3倍の金額を課金してしまっていた。
そりゃあ、僕が悪いかもしれないけど、何もスマホやタブレットを取り上げなくてもいいと思う。まぁ、
「いいよなぁ、猫は自由でさ」
ララの耳が、ぴくりと動いた。
僕の言葉に反応しているんだろうか。
「親にガミガミ怒られることはないし、勉強だってしなくていいんだろ? うらやましいよ」
なんで僕は、猫に話しかけているんだろう。猫が答えるわけがないのに。
すると、「にゃーん」という鳴き声と共に、ララが僕の
「ララは、人間の言葉が分かるのか?」
そんなはずはないと思いつつも、思わず聞いてしまう。
「にゃあ」
まるで返事をするかのように鳴いたララは、今度は僕の顔をぺロリとひと舐めした。
「うわっ! ちょっと待って、くすぐったいよ」
あぁ、幸せだ……。この時間が、ずっと続けばいいのに。
僕はララを抱きしめた。このまま連れて帰りたいが、家はマンションなので、動物は飼えない。
「ララと離れたくないなぁ……」
思わずため息をつくと、ララはもう一度、僕の顔を舐めた。そして、膝の上から飛び降り、神社の
「もう、帰るのか?」
僕が声をかけると、ララは振り向いて、「にゃーん」と鳴いた。なんだか、ついて来いと言っているみたいだ。
「行けばいいの? 分かったよ」
僕は立ち上がって、ララを追いかける。
そういえば、石段に座っていれば、勝手にララが出てきてくれていたんだった。神社の本殿ってどんな所なんだろう。
ララが本殿の中に入ったのでついて行くと、そこは
「うぇ〜。ララはこんな所に住んでたのか。僕の家で飼ってあげられたらいいのにな」
僕は本殿の中を見まわした。すると、またララが「にゃーん」と鳴く声が聞こえる。
僕がララの声がした方を見ると、そこには、外国のお城に飾ってありそうな、大きな鏡がある。金色の
「何で、こんなものが……」
僕が手を伸ばすと、突然、鏡が白い光を放った。
「うわぁ!」
まぶしくて、目が開けられない。
しばらくすると光が収まり、僕はそっと目を開けた。すると目の前には、僕の身長の3倍はありそうな、大きな扉がある。
「えっ?」
さっきまでは、廃墟のような神社の中にいたはずだ。それなのに今は、中世ヨーロッパのお城のような場所にいる。
僕が
「うわっ」
僕は思わず後ずさる。
扉の向こうには広い空間が広がっていて、壁も床も全部、大理石だ。床の真ん中には、レッドカーペットが
ん? 玉座には何か、薄いグレーの丸っこいものが……。
「中に入って。国王様がお待ちよ」
背後から女の子の声が聞こえた。
僕が振り向くとそこには、同じくらいの年の、女の子が立っている。見た目は間違いなく美少女だ。ただ……長い髪は真っ白で、目は金色だ。
そして、猫耳がある———。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コンテストに応募する用の小説です。
全5話なので、最後まで読んでいただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます