話し合いの結果

「あ、えっと。やっぱり、ここに居られないんですね」


 私はカイルディさんから、話し合いの結果を聞き落ち込んだ。


「はい、申し訳ないとは思っております。ですが、すぐに城を出ろとは申しません」


「それは、どういう事?」


 不思議に思った。アニメとか漫画、小説なら……用のない片方は即追い出されるからだ。


「他の世界から来たルイ様が何も知らずに外に出て、何かあっては大変とのこと。そのため、七日間までなら城に滞在していいとのことです」


「七日間までって、ことは……」


「その間この世界の最低限の知識を身に付けたら即、城から出ていって頂きます」


 それを聞き、なるほどと思った。


 巻き込まれたとはいえ一応、異世界から召喚したのだ。だからなんらかの能力を身に付けていてもおかしくない。


 そう恐らくは、ただ追い出して恨まれたくないという事だと思う。


 それに何も知らずにこの城を出て何かあれば、色々と面倒なことになる。それと、聖女召喚に私を巻き込んで召喚したことが知られてしまうからだろう。


 まぁその他にも考えられることはいくつかあるけど……恐らく、そんなところだろうね。


「分かりました。それで早速、聞きたいことが」


「承知して頂きありがとうございます。それで聞きたいこととは? 私が知る範囲であればなんなりと」


 そう言われ私はこの世界のこと、もしかしたら自分に何か能力があるんじゃないかと聞いてみた。


「この世界はスルトバイス。そしてここはチクトス国のバールドア城でございます。それとルイ様の能力ですが、」


 カイルディさんは、持ってきた袋の中から木の板のプレートらしき物を取り出し私にみせてくれる。それを私は受け取った。


「これはなんですか?」


「それは、この世界で必要になる身分証明書のようなものです。プレートの右側に魔法陣が描かれていますので触ってみて下さい」


 そう言われたのでプレートに描かれた小さな魔法陣を触れてみる。するとその魔法陣が眩い光を放った。


 光が落ち着いてくると、プレートに私のステータスなどが記載されていく。



 ★名前:ルイ・メイノ ★年齢:16 ★職業:無職 ★特殊能力:見極め

 ★LV:1 ★HP:1500 ★TP:0 ★MP:100

 ★攻撃力:500 ★防御力:1000 ★○○…………――――



 と書き込まれる。それを食い入るようにみた。


「……基準、分からないけど。悪くないのかな? んー、それより特殊能力の【見極め】ってなんだろう」


「【見極め】ですか。……私も聞いたことがありませんね。試しに使ってみたらいかがですか?」


「そうなんですね。でも、使い方が分からないんだけど」


 そう聞くとカイルディさんが丁寧に説明してくれて、プレートの使い方を把握する。


 私はプレートの特殊能力の★の部分に触れた。すると、使い方の説明が下の空白の部分に記載されていく。


 なるほど、こう使うんだ。


 読み終えると私は早速、使ってみることにした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る