気が付いたら自分以外が勇者のパーティーになりました。

@Minase-Minatsu

プロローグ パーティー解散のお知らせ

 勇者、菜々緒ななおはとある酒場にて、パーティー会議を始めた。



 紅一点。



 唯一の女性メンバーである。



 以前はもう一人、女性が居た。


 しかし、4ヵ月前、彼女---、『真飛流まひる』は怪我により今も入院生活をしている。


 治療期間的にそろそろ復帰時期の筈だが、未だその連絡はない。



 パーティーメンバーその3位の夜弥美よやみはそれを思い出しつつ、


(……なんだろう?---真飛流さん、復帰かな?)


 と、期待しながら菜々緒の話を聞く。



 彼はこのパーティーに属して5ヵ月の未だ新米である。



 勇者になる為に必要な”仲間レベル”的な意味で。



 夜弥美は10段階ある冒険者ランクの中でも、ランク8の大物冒険者クラス、勇者を目指しているので『勇者見習い』だが、ソロ活動が捗り過ぎて、仲間レベルは0。


 足軽や忍者、騎馬兵と組む事が多い、『侍』としては珍しい部類である。



 次なる試験、冒険者ランク9、勇者と名乗る序列となる為のそれを受けるには、仲間レベルが必要であり、それもレベル10まで上げないといけない。


 しかもそれは、経験日数やクエスト内容に左右される。



 第一関門の仲間レベル1に上がるまで、あと1ヵ月。


 半年間、同じパーティーで活動をする。




 なのに---。





 菜々緒は衝撃的な一言を言う。





「今日をもって、このパーティーを解散とする!」





(良い話しだった)




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る