第25話 体育祭本番(1/3)

そうして、準備体操やら初めの言葉やらなんやらが終わり、校長の話が始まった。


ちなみにうちの校長は全国を見ても類がないぐらいの話の短さだ。

今日は何を話すんだろうな…

少し、校長の話に期待しながら耳を傾けていると…


「えー、長い話はみんなも聞きたくないと思うので、短めに済ませましょう」

「体育祭、頑張るぞ〜!お〜!」

「「「「「「お〜!」」」」」」


話短すぎだろ。

そして校長の話が短いおかげでみんな元気が有り余ってるから団結力もやばい。


まぁ、話なんて短いにこしたことは無いよな。


そうしてプログラムがついに発表されることとなったのだが…


なんと、俺の出る障害物競走と借り物競争は並んで二番目、三番目の種目となっていた。


ちなみに一番最初の種目である100m走はもう既に始まっている。


1位に15ポイント、2位に12ポイント、3位に10ポイント、そこからは1ポイントずつ減少していく加算形式らしい。


正直俺とは縁のない話だし狙ってもいないのだが、全種目、学年一位には賞状が送られるのだとか。


ちなみに、うちの学年では未来が3位に入賞、したの学年では寧々が2位に入賞したのだとか。


…初っ端から大分化け物じみた結果残すなぁ…


そんなことを思いながら感染していた俺だが、そろそろ俺の出番が来てしまう。

まぁ、ベストは尽くすか。


…借り物競走だけど。


それから10分後、幼馴染と言うお題を引いた俺が敵チームの渚を引きずって行って学年一位を取った話はまた今度、させてもらうことにしよう。


「連続で種目出るって予想はしてたけどその何倍もきついな…」


正直借り物競争しただけなのにもう倒れそうなんだが…

未来とか寧々とか一体どんな化け物じみた体力してるんだ…


正直フラフラとしているのだが、何とか俺は障害物競走を完走することができた。


…ちなみに1位は未来。


ほんとにあいつほぼ全種目出てるんじゃないのか…?


それからも、上位を未来と寧々が総なめにしていくのを俺は見守り続けるのだった。


正直もう応援なんて無くても勝てるんじゃないかと言うぐらいの未来の無双が続いていたのだが、ここで1本の放送が入った。


【只今より、昼食時間とします。学年、チーム問わずご自由に休み時間をお過ごしください。】


やっとお昼ご飯か…


あいつらを探すことにするか…


正直渚は何となくどこにいそうかもはや分かってきているから良いのだが…


「あ、いた」

「翔、私もそろそろ来る頃だと思ってたわ」


こればっかりはさすがの連携である。


「あと問題はあの二人だけど…一体どこにいるのかしらね」

「なんかあそこに人の塊というかもはや1つの集合体みたいなのあるけどあの中にいたりするのか?」


そう言って俺が指差したのは、もはや禍々しいとも言える人の塊だった。


「まさか、あの二人も私たちのことを探してるに決まって…」

「うんうん、そうだよな…」


「「あ、」」


「私の方が1位多いじゃん!」

「いーや!私の方が総合順位は高いです!」


そこで、俺たち二人の視界に入ったのは、その人の塊の中心でお互いの賞状を自慢し合う未来と寧々の姿だった…。


その後、俺たち二人はお昼ご飯休憩と言うよりも自慢される方がメインなのかと勘違いしてしまうぐらいの自慢を受けるのだった…


まぁもはや自慢と言うより喧嘩だけどな…


とりあえず2人とも元気そうで何よりだ…


「2人とも、後半も頑張れよ〜」

「任せて〜!」「任せてください!」

「「絶対負けないから!」」


うーん、なかなか仲良くなれそうには無い雰囲気だな…


まぁ、一応勝負だし仕方ないか…

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