第3話 「幼馴染」アピール作戦会議本部
朝からとてつもない爆弾を貰った俺達2人は悩んでいた。いや、絶望といった方が近いかもしれない。
『それではこれより、第一回幼馴染アピール作戦会議を開始する』
『なにか質問はあるかい?』
未来と渚が何をやっているのか訳が分からないという風な目でこちらを見ている。やめてくれ。突き刺すような視線が痛い。
『未来会長、何か考えがあるのでしょうか』
『私が会長なの!?』
『未来会長しかその役は務まりません…!』
『なんでそれでいけると思ったのよ』
『まぁ未来なんやかんやでチョロいし…』
『はぁ〜!?チョロくないんですけど!!』
『はいはい、皆最初はそういうんだよね〜』
『うざい!!』
横で見ていた渚が口を開く。
『そんなことやってる場合じゃないわよ!何とかして誤解を解かないとでしょ!?』
ああ、そういえばそんな話もあったな。
『めんどくさいし別に認めれば良くないか?』
『え…?』
何故か渚が固まってしまった…
そうすれば皆からの視線もある程度気にするの必要無くなって楽だと思うんだが…
『渚?あくまで付き合う"フリ"だからな?』
『そ、そうよね、実際に付き合うわけじゃないんだもんね…』
どうやら正気を取り戻してくれたらしい。
『もうめんどくさいから付き合えば良くない?』
横から見当違いバカが口を挟んでくる。
『それは違うだろ』
これに関しては完全にこのバカの個人的な要望であると考えられるのでやめておこう。
『っで、渚、結局どうするよ?認めれば何も気にしないでいいし気楽だと思うんだが…』
『で、でも、付き合ってる振りとか…翔は嫌じゃないの?』
『んー、俺としては渚だし別にいいけどな、特に何か特別なことする訳じゃないし』
『そ、それはそうだけど…』
なんとも歯切れの悪い返事をする渚。
『でも翔はってことは渚は嫌じゃないってことじゃ――』
『言葉の綾よ!揚げ足とらないで!』
なんでだろう。ちょっとだけ悲しいぞ…
『…翔が相手なら別にいいけど…』
『あ、でも1つだけ約束して欲しいんだけど!』
『何だ?』
『…えっちなことはしないからね?』
『するつもり無かったわ!』
『もしかして渚さん期待してたりして?』
『してない!』
ちょっとからかいすぎただろうかふと、渚の顔を見ると真っ赤な顔でこちらを睨みつけている。
『じゃあ、そういう方針で話固まったなら私が学年の皆に知らせておくね〜』
そう言って立ち去ろうとする未来。ん?今なんて言った?
『ちょっと待て、今なんて言った?』
『え?だから学年中に伝えるって…なんならもう1部には伝えちゃったけど?』
そう言ってスマホの画面を見せてくる未来。
そこには仲のいい女子のグループだろうか?のグループチャットの様子が映されている。
『『何してくれてんの!?」」
どうやら俺達は学年から認められたカップルとして過ごさないといけないらしい…
『これは流石に想定外だな…』
明日からどうやって過ごしていこうか…
そんなことを考えながら、俺達は午後の授業へと向かうのだった…
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