87話 final last
俺は、罠に引っかかりながら、突き進みようやく社長室に到着した。
「ふう、ようやく着いたか。」
俺は、このドアをどう開けるかで悩んだ。このドアにも、罠が仕掛けられているのでは無いのだろうか?そう思うと、開け方にも工夫がいる。ドアノブを握り引くと爆発する系だと、ドアを蹴り飛ばしたら何とかなるかもしれない。だけど、ドアごとが爆弾だとすれば、どうだろう。蹴った瞬間に爆発する可能性がある。
だが、ここで、立ち往生していても、時間が経つだけ。なので、俺は意を決し、ドアを蹴ると、思ったより強く蹴り飛ばしドアは吹き飛んだ。
社長室には、社長と社長の秘書(俺の内通者)がいるのだが...目の前にいる奴は、誰だ?
「来たかあああああああ!!クロウぅうううう!!」
叫んでいる奴は、本当に誰だろう?
あの、社長が、新しく雇った冒険者なのだろうか?だけど、あんな筋肉が膨張して筋肉ダルマの冒険者が居たら、ウェブサイトとかで取り上げらて、俺が知らないはずがないんだけどな...
っと、俺が困惑していると、声が聞こえた。
「あれは、タケルです!!タケルが、変なクスリのような物を飲んでから、筋肉が膨張しています。」
っと、カメラを持った綾音が居た。
辺りを見渡すと、隙間から佐々木さんやミツキがクローゼットの中で、隠れている。
ああ~俺が心配で来たのか。それと、動画配信もしているのか...じゃあ、アピールしなければ。
俺は、そう思いギリギリの戦いでもしてみようと考えた。
それにしても、これがタケルか。顔がイケメンで、鼻につく野郎だったが、クスリのせいで、ものすごい迫力のある顔になったな。
「ころす!!」
タケルが、片手に握っている体に似合わない小さな剣を振り降ろし、俺は躱した。すると、躱した先の壁が切れていた。筋肉による斬撃が飛んできたのだろうか?
「フハハハハハ、死ね。死ね。死ね。死ね。」
っと、無茶苦茶な攻撃を繰り広げてくる。躱すことが難しくなったので、剣を使い斬撃をいなしながら戦っている。
「う、う、うおおおおおおおお!!」
攻撃が当たらないのか、マッスルフォーム状態のタケルは唸りだし、剣を握りながら俺に突撃し、殴りかかって来た。
もう、剣必要じゃないですよね。
とか、思っていると、思ったより強力なパンチだったようで、壁を突き抜けた。
「あ~あ、少し痛かったじゃないか。」
「ずこし!?うぞをつくな。ほんどうは、効いているんだろ!?やぜがまんじやがって」
もう、言葉もまともに喋れていない。マッスルフォーム『解』状態のタケル。翻訳すると、『少しだと!?嘘をつくな。やせ我慢をしやがって。』っと、言いたいのだろう。
まあ、やせ我慢ではないのだろうが...俺がやられそうになり、ミツキがスキル
佐々木が、そっとクローゼットを閉めている。
「さあ、クロウ。やせ我慢は辞めるがいい。あの、攻撃で壁に強く背中を打った。これは、背中の骨が折れているんだろ~」
「いや、折れてない。」
社長も、俺がやせ我慢していると勘違いしているようだ。
マッスルフォーム『解』状態のタケルは、それが気に食わないのか、両手を掲げ俺に襲おうと走って来た。筋肉のせいで、走るのは遅い。俺は、マッスルフォーム『解』状態のタケルの腹にいいパンチの攻撃をした。
「ぐぅううう!!」
お腹を押さえ、後ろに下がって行った。
「grrrrrrrr」
タケルが、叫び、再び剣を振りまわしていると、剣が燃え炎を纏った。その剣を振り降ろすと、炎が辺りに広がった。
だけど、それは魔法と同じ。俺達には効かない。
「あっついだろうが、タケル!!俺に火が飛んできたぞ!!」
「グル!?」
タケルは、もう言葉も忘れているのだろうか?喋らずに、怒っている社長の方を睨んだ。
「ひぃい!?」
社長は、変な声を上げた。
「おい、タケル。これが、本当の魔剣の使い方だ。」
俺は、炎の斬撃を撃つ『
「グァアア」
「おい、タケル!!そんなので、倒れるな!!」
「グァア」
タケルは、諦めずに俺に挑んでくる。タケルは、剣では敵わないと思い、剣を捨て捨て身のタックルで俺に突撃してきた。
俺は、『
「グウウウ...アアア」
タケルは、社長の足元まで飛んで行った。
だが、俺の『
「クソ、役立たずが!!」
社長が、地面に倒れているタケルを蹴った。
タケルが居なくなったので、俺は社長に近づいた。
「おい」
「ひぃいい!!」
っと、俺が近づくと社長は覚えている。
「金か、金ならいくらでもやる。だから、命だけは!!」
「お金か...今は、一億円を稼ぐ社長。俺は、お前より金を持っている。それに、俺は...」
俺は、社長にだけ見えるように素顔を見せた。すると、丁度、タケルもクスリの効果が消え元の姿に戻り目を覚まし俺の正体を知った。
「さ、さとう!!」
「お、お前は...あの時、俺がボコした」
二人は、驚いていた。
俺が、雑魚だと思い、追放した、腹パンをしたやつが、今この場所で立っている。それは、驚くだろうな。
「な、なあ、佐藤。フェニックスギルドに戻ってこないか?お金なら、月1千万円は用意するから!!」
と、お願いしている。
が、俺には、ラッキーギルドなど色々とある。
「要らない。」
「はぁあ!!お前は、俺が雇っていたから、やって行けたんだろうが!!恩を返すと思って、俺のギルドに入りやがれ!!」
俺は、入らないと分かるや、怒鳴って来た。
「じゃあな、お前は、もうここの社長じゃない。」
「はぁあ!?何を言っている。俺は、今もこれからも、ここの社長だああ!!」
そんな風に叫んでいるフェニックス社長の目の前に、黒いローブを被った三人が目の前に現れ、綾音が俺に何かの紙を渡した。
俺は、少し中身を見て、フェニックスギルドの社長に投げた。
「な、なんだこれ!?はあ!?でっちあげだ!!」
「これは、事実だ。これも、お前は、ここの社長の地位は終わりだ。デビルギルドの社長のようにな。」
「ま、まさか、貴様が!!貴様が!!デビルギルドの社長を!!」
「ああ、その通りだ。」
フェニックスギルドは、地面に両手を付け絶望している。
「な、なあ、俺は、俺は大丈夫だよね」
タケルは、涙目になりながら、大丈夫だよなっと、叫んでいる。何が、大丈夫なのだろうか?大丈夫じゃないのに。
「ほら」
「え?」
タケルにも、紙を渡した。
「え、い、いや、こ、これは...わ、わざとじゃないんだよ。社長、そう、社長が命令して」
っと、見苦しい言い訳をしている。
「これは、もう、警察に送り付けています。もうすぐ、警察が家宅捜査にくるでしょう」
綾音がそういった。
俺達は、やることをやったので、家に帰った。
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