第67話 デビルギルドの調べる中編 下
さて、リリとユリの2人は、デビルギルドに侵入する為に、小学生の格好になり、小学生の集団に紛れハラハラしているリリだが、傍から見ると、デビルギルドに社会科見学するのにドキドキしている小学生にしか見えない。
ユリは、堂々としてデビルギルドに入るのを待っている。
「では、デビルギルドさんの所に社会科見学をしに行きたいと思います。皆んなは、聞きたいこととか、考えてきたかな〜」
小学校の先生を務めている、女性の先生が皆んなに聞くと、『ハイハイ!!』・『考えてきた!!』と、元気が良い返事をしている。
リリは、ユリの背中に隠れ恥ずかしがっているので、目をつけられたのか、女性の先生が、リリに近づいて来た。
「どうしたのかな?恥ずかしいかな?」
リリは、首を振りユリに近づいた。
「君は、この子のお友達?」
「そうです。」
「そう、お友達と来ているのね〜なら安心。だけど、今日はギルドに入れる時なんだから、恥ずかしがらずに、質問したりしてね。」
「は、はい」
リリは返事をした。
リリは、女性の先生に近づかれて、バレたかと思い内心ドキドキしていたが、何も思われず、むしろ心配されて話しかけてくれた。
バレてないんだ。バレないんだ。っと、そう思い、少しリリは小学生の変装に自信を持つ事ができた。
「ねえ、ユリ。本当にバレないんだね。」
「うん。見た目が小学生だから、普通にバレない。自信を持った方がいいよ。」
「わかった。」
ユリと話していると、公園に1人の女性が現れて小学生達がザワザワとし始めた。
その女性と言うのが、クリムゾンスカーレットのミケさんだった。
今では動画配信のチャンネル登録者数100万人を突破しているデビルギルドで一番有名な人である。
最近の推しがいるのか、雑談配信の時に名前は伏せている。ローブを被った男性とだけ言っている。
「あの、ミケさんは、どうして探索者になろうと思ったんですか!?」
「うん、実力があったからと、ダンジョンに興味があったらです。」
「どうやったら、探索者になれますか!?」
「興味があれば、誰でも探索者になる事ができます。君たちは、子供だから何でも出来るからかんばって」
いきなりの、質問タイムが数分続いた。
さすが有名人。子供達にも人気である。
リリやユリも質問していたら、何か聞き出せたかもしれないのだが....
リリとユリはミケさんに顔を知られている。もしかしたらバレるかもしれないので、目立つ行動は避けて質問はしなかった。
質問タイムが終わると、デビルギルド内に案内される事になった。ミケさんは、先生と小学生達を連れて、中に入る事になった。
ギルド内には、綺麗だ。ホテル観たいと言えばいいのだろうか?まあ、綺麗だ。
『スゲー』・『ギルドだ〜』と、多くの小学生達は、驚いている。
3階にある大きな会議室みたいなところに案内された小学生達は、ここのトップに当たる社長と合わせてくれるらしい。
リリは、社長室の中に何かあるのではないか?と思い立ち、こっそりと大きな会議室の隣にある社長室に入ろうとすると、ユリに止められた。
「リリは、この中に入っちゃダメ。私が行く。」
「どうして?」
「リリが、侵入しても、ドジを踏む可能性がある。」
「え...」
「ここの社長が私たちと質問などに答える為に、社長室から居なくなる。だから、私はその時間を狙って、こっそりと、社長室の中を探る。だから、リリは、私がいない間のフォローしておいて。」
リリは少し考えて、了承した。
「わかった。」
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