第66話  デビルギルドの調べる中編上

 リリは、ユリに連れ出されて服を選びに服屋に行った。

 

「ねえ、ユリ。ここって、子供用服の所なんだけど?」

「知ってる。だから、来た。」

「どおゆうこと?」

「子供に変装すると、ギルドの人達は警戒をしない。」

「うん。」

「幸い。私たちは、身長が低く子供服さえ纏えば子供に見られる。だから、子供服売り場に来たの。」


 どうやら、二人は子供服専門店に来たようだ。

 店員からも、友達と服を買いに来た小学生二人としか見えていないようだ。

 

 しかし、リリは少し複雑な気持ち。


 だって、身長が低く子供のように見えるから、クロウ様の為に情報を収集することが出来るが、小学生ぽく魅力が無いと、どっちにも取れるので複雑な気持ちになっている。


 さっそく、二人は子供っぽく、怪しまれない服を選んでいると、男性店員が二人の元にやって来た。


「お嬢さん達は、どんな服をお求めで?」

「...子供っぽさを残しているけど、大人っぽい服はある?」

「お、おお...そうだね~これなんかどうかな?」


しっかりとした説明をされ、店員は驚いたが、すぐにリクエストに沿った服を二人に提案した。


「うん、これでいいと思う。これを、ください。」


 ユリは、自分のとリリの色違いだが同じ服を買った。

 買って、すぐにお店の試着室で着替え、そのままお店を出た。


「ありがとうございました~」


二人が、お店を出た後、女性の店員とユリとリリを接客した男性が喋り始めた。


「凄いですよね~今どきの小学生は。小学6年生くらいでしょうか?」

「そうだろうな~それにしっかりしている。俺の娘も中学生になるが、あんなにはしっかりしてないぞ。」


 どうやら、二人は小学生と疑われていない。

 しっかりとした、小学生とどうやら思われているようだ。


 リリは、こんな服に着替えさせて何をするのか、と疑問に思っていたが、ユリはデビルギルドの近くにある公園に集まっている小学生の団体にどうやら向かうようだ。



「え、あの小学生達の団体にまぎれるの?」

「そう、あの小学生の団体は、複数の学校から集まった、探索者を目指す小学生の集まり。つまり、社会科見学と言うものだ。」

「だけど、私たちが入ったら、バレない?」

「バレない。事前に私たちが、あの団体に入るように申請した。」

「え、ええ~」


 リリは、ユリの準備の良さに驚いている。

 クロウ様の為とは言え、リリは身長を気にしているし、この格好わ、恥ずかしい。

 

 二人は、小学生たちの集団に紛れこみリリは、バレないが、ドキドキして心配しているが、小学生では無いと、言われなければバレないほどに、小学生たちの集団になじんでいる。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る