第50話 ブラックコーヒー

さて、少し気まずい時間が続いているよ。

俺とミケさんの注文が終わり、俺が頼んだブラックコーヒーとパンケーキが来たが、ミケさんのジャンボチョコパフェバナナ(カップルのみ)が来ない。やはり大きく作るのに手間がかかっているのだろうか?


佐々木さんとミツキと話して、女性の会話は少しは慣れたがやはり苦手だ。


美人のミケさんと顔を合わせた状態で、沈黙の時間が続く。別に、俺はミケさんの顔を見ながら注文してすぐに来たブラックコーヒーを飲んでいる今の状況が続いてもいいが、ミケさんは恥ずかしがっているので、やめておこう。俺は沈黙から抜け出そうと、何か話そうと思っていたが、話題が無く話すことが出来なかった。


そんなことを考えていると、ミケさんから話しかけて来てくれた。



「あの、すいません。私と偽装カップルになってくれて。」

「いえいえ、俺も入りずらいカフェに入れたのでよかったですよ。」

「気になっていたんですが...私とどこかで会いましたか?」


うん、最近会ったことがあるよ。

 だって、ダンジョンで俺とミケさん戦ってたもん。ドラゴンで...


「あ、たぶん。駅でぶつかった時に会ったことがあるので、その時じゃないですか?」

「あ、確かに。あの時の、人ですか。あの時が、急いでてごめんなさい。」

「いやいや、気にしてないです。」


そんな会話をしていると、ようやくジャンボチョコパフェバナナが来た。


「お待たせしました~ジャンボチョコパフェバナナです。」


 メニュー表と写真が違い過ぎる。大きな器い限界まで盛られた生クリームやバナナやアイス。メニュー表の写真の方が小さいことがあるだろうか。デカすぎやろ、こんなの一人で食べれるのか?


「カップル商品なので、どちらかがア~っと、食べさせてあげてください。その瞬間を写真にとりお渡しします。もし、食べさせることが出来ないとなると、このジャンボチョコパフェバナナは厨房に戻させていただきます。」


店員は、写真を持ちながら待機している。


「あの、食べさせてください!!」

「わ、分かりました。」


俺は、スプーンを持ち生クリームとアイスの部分を救い大きく口を開けた方にスプーンを入れた。


「あむ」

「はい、そのまま~」

『カッシャ』


と、俺たちは、写真を撮られた。


「あ、ありがとうございました。」

「いえいえ」


と、カップルイベントが終わりミケさんはジャンボチョコパフェバナナを食べ始めた。


その姿を見ているだけで、お腹が一杯になるような気がしたが、俺もイチゴが乗ったパンケーキを食べた。


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