第25話 犬塚です。

朝目を覚まし、朝ご飯を作りミツキと一緒にご飯を食べている。

人とご飯をするのは何年ぶり、少し嬉しい。


「あ、ミツキの名前は犬塚ミツキです。」

「俺は、佐藤ケイだ。」


なんか、女性と話す時は緊張するが、ミツキさんと話す時は、緊張せずに喋る事が出来る。

犬っぽいからかな?実際に犬になれるし。


「あの、図々しい頼みなのですが...ミツキと一緒に特訓に付き合って貰えませんか?」


確かに図々しい頼みだ。

しかし、暴走してしまうのは大変だと思うし、探索者としてやって行きたいとすれば、死活問題だし、もしコントロールする事が出来るなら、強力な力を得ることが出来ると思う。


それに、ギルドに所属していなければ、初のギルドメンバーとして、招待することが出来るかもしれない。

 ギルドに、俺しかいないギルドとかソロ冒険者と同じことだ。

2人になると、ようやくギルドらしくなる。


ダンジョンの為に作ったギルドだが、せっかくならギルドらしいメンバーなども欲しい。


なので、俺は手伝ってあげることにした。


「いいよ。」

「ミツキは、嬉しいです。早速、ダンジョンに入って、特訓です。」


俺は、ローブとグローブと革靴を履き、魔剣を持ってダンジョンに向かった。

ミツキもウキウキで、ダンジョン内に入って行った。


焔犬炎咆哮フレイムハウル


ミツキは、ダンジョンに入り5階層のボス部屋に向かった。ボス部屋は広いので、戦うにはいい場所である。なので、スキルを使った。

 スキルを使うと、茶色い耳とシッポが生えた。


「ガルルルル!!」

「おい、全然制御できてないぞ。」

「ガル!!」


俺は、焔犬炎咆哮フレイムハウルを使ったミツキの攻撃を躱しながら、戦っている。


「おい、さっさと制御できるように意識保て!!」

「ガルル!!」


ただただ、唸るだけだ。

俺は、ミツキに『もし、制御できてなければ殴ってでもいいので、ミツキを起こしてください。』と言われたが、抵抗があるので、俺の心臓を突き刺そうとする腕を掴み投げ飛ばす。


そんなかんじで、何とかスキルの効果が解け正気に戻った。


「おい、全然制御できてなかったぞ?」

「う...ですが、もう一度。今度は、佐藤さんも本気で私に攻撃してください...ですが、その剣は使わないで欲しいです...」

「ん~分かった。」


再び、焔犬炎咆哮フレイムハウルを使ったミツキは、また制御できずにいる。

 俺は、魔剣無しで戦うのはキツい。

物理攻撃無効の俺は、今の所大丈夫だとは思う。だけど、ミツキの炎が出る爪?

あれはダメージが入ってしまう。


俺は、それだけを注意しながら拳で戦っている。

 このグローブは、ローブと同じように物理攻撃の効果無効を持っている。

なので、爪の攻撃を受けることが出来る。


しかし、俺ってこんな動体視力は無かったはずなのだが...

 これは、ミツキの攻撃を受けているうちに強化でもされたのだろうか?


「ガルル!!」


俺も拳で反撃しているが、手の平にある肉球で衝撃を吸収され受け流される。

 

「やっぱ、つえ~」

「ガルルルル!!」


ミツキは、体制を変えた。

 四足歩行になり、スピードが速くなった。 

爪は、赤くなる。スキルだと思う。これは、俺に攻撃が通る。


「ウリャアアア!!」

「うお!?」


俺も、本気になった。

 俺も死ぬかもしれないからな。

確実に、俺の急所を狙ってくる。


俺も拳で攻撃を受け流しながら、攻撃をする。

 攻撃は避けられるか受け流される。

段々、ミツキの攻撃にも慣れて来た。


もう一度、キツイの一発入れて目を覚ましてやる。


「ウリャアアア!!」

「ぬん!!」

「キャイン!!」


今度は気絶しない程度の手加減で、腹部を殴った。


「グ...グル...」

「まだ、戦うか!?」


睨みつけた。

 すると、お腹を見せて服従のポーズをしている。

何故?


「キャイン...」








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