私にだって救える世界がある!
小鳥遊葵
プロローグ
聖王暦二千二十年、八月一日――
すべてはこの日から始まった。
この日を境界として全てが変わった。
”聖王国”と呼ばれたこの国が――
この国を含む俺達の世界が――
この
”創造”であると同時に”破壊”としか言いようのないこの壮絶な事業は後に”世界再生”と呼ばれた。
ところで、この世界以上に私の人生はこの日から文字通り劇的に変わってしまった……
正直、とんでもない貧乏クジを引いたと思っている。
――『世界再生紀 序文』 著者 共和国軍 初代大元帥 ホーエンシュタウフェン
プロローグ
街が燃えている――
目の前の魔神の強さに誰もが絶望感を抱く中、少女は立ち上がった。
自身もボロボロになりながら、だが、凛とした声が響く。
「この世界が病んでいるというのなら、アタシが救ってみせる!」
燃えるような瞳で真っ直ぐに眼前の殺意に向かって言い放つ。
その姿は女神のようであり、言いしれぬ恐怖を感じさせる魔王のようでもあった。
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