冒険者、呪いの装備に目をつけたってよ。

@kaichouayatori

第1話 相手にされ無さすぎて辛りんこ


「あの!」

男「ダメだ」

「すいません!」

女「ダメよ」


膝から崩れ落ちる俺


「なんでっ!なんで誰も俺とパーティを組んでくれないんだァァァ!!!」

「ここはギルドなのでもう少しお静かにお願いしまーす」

アッハイスイマセン

俺はそそくさとその場を離れトイレ横のベンチに腰掛けた。


俺の名は黒谷 葉介

しがない冒険者だ、……ったら良かったなぁ先程見てくれた通り俺は誰からもパーティを組んでもらえない。

それは何故かお教えしよう。


この世の中にはダンジョンというものがある。

突発的にできることもしばしば、中には別世界が広がっておりそこで手に入る資源で今世界は回っている。

その資源というのは魔鉄を初めとする鉱石類やエネルギー代用が可能な魔物から取れる魔石というものだ。


余談だがギリシャにはかのヘラクレスが突破したとされる十二の試練のダンジョンがあるらしい、入った人は帰ってきていないので本当にかの十二の試練なのかは分からない。

配信も途切れるみたいだし…


まぁ、とにかくその資源を収集する職業が冒険者である。

基本的には18歳以上でなくてはソロのダンジョンダイヴは禁止されている(特例やダンジョンランクの二つ上の階級の冒険者指導の元であればその年齢以下でも可能)

ダンジョンランクとはダンジョンの危険度の指標であり

冒険者ランクと共に

A〜Gまである。

俺はいとこのにぃちゃん指導の元、高校の頃から潜っているため御歳18にして冒険者歴3年である。

そんなみんなの気になる俺の冒険者ランクは







だかだかだかだかだん、F!!


オイィィィィィィ!おかしいやろがい!

Gなんてスライム10匹倒せりゃランク上がるんだから実質の最低ランクはF、

つまり俺は最低ランク(ง ˙o˙)ว フォォォォォ!!



ちなみにEに上がる方法はコボルト、ゴブリンの魔石それぞれ10個を一度に納品することだ。

それも出来てない俺って⋯?

いやいや!これも全部ステータス!貰ったステータスのせいだから!!もうちょいましなステータスだったらもう俺テッペンにいるから!


そんな気になる俺のステータス!


ドン!


黒谷 葉介


称号:なし

ステータス

力:25

速:30

防:28

魔:0


スキル

自然治癒Lv10(MAX)

逃げ足Lv7


だいぶ弱めなんだよね、まぁ0がひとつでもある時点で欠陥持ちって言われるしね。

参考までに始めたての冒険者の平均ステータスをば


田中 太郎


称号:なし

ステータス

力:25

速:25

防:28

魔:13


スキル

最初からスキルがある確率がハーフハーフ



こんな感じなんすねぇ!

魔力に至っちゃもう負けてる。

だがそれ以外では初心者平均君より強いもんねぇ!(イキリ)

3年もスライムと倒し切れないにしてもゴブリン、コボルトの群れと戦って(倒せず逃げるものとする)いれば戦闘スキルの1個や2個生えてきてもいい気はするんだがなぁ。

自然治癒がLvMAXなのは少しづつ色んな所に傷がつきまくるからLvがどんどん上がって知らぬ間にMAXになってました。

このスキルが最初からあった事は感謝してもしきれない。


スキルをLvMAXにするにはプロでも時間がかかるらしい、なのにどうして俺がMAXになったのか考えたら、弱すぎてコケただけでも擦りむく程度に弱いので傷付く事が必然と多いからっぽかったわ(泣)。

嬉しいけど嬉しくない♡

逃げ足は逃走している間Lv分足が早くなるって事だね。今はLv7だから通常の1.7倍で逃げれるよやったね。

因みに逃げて相手を疲弊させてから……なんてことは出来ない。

反撃を考えた瞬間このスキル切れちゃうんだよね。使えねぇ。


とにかく3年も通っていて実質最低ランクとなるともう見込みもないとされたのか誰も相手にしてくれない。

最初の1年目はまだ煽ってくる奴とかいたのに

2年超えた辺りから視線が暖かくなってきた、4年目に入った今年なんかもう来ただけでみんなニコニコ挨拶してくれる。

強面でムキムキ、寡黙な隣接したカフェの店長も手を軽く振ってくれるまでになった。

もはやマスコットである。

普通に話しかけたら盛り上がるのにパーティの話になった瞬間みんな真顔になるんだけどね。

最初ホラー系の夢でも見てるんかと思ったわ





⋯相手にされ無さすぎて辛りんこ

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