人戦凶人

沢田美

プロローグ


凶人きょうじん」それは日本の都市部の産婦人科で産まれた赤ちゃんが始まりだった。


 片目が黒で塗りつぶされた様な目、首には締められたような痣をした容姿である。

 

 マスコミなどの各メディア業界は、それを物珍しそうに大々的に報道した。

 

 これら二つの原因は、先天的せんてんてきなものだと各学者界隈で言われていた。

 

 しかし、それと同じ様な突然変異を起こし始めた子供や若者が世界各地で確認され、変異を起こした人々は病院へと殺到した。

 

 発症しなかった人々は、変異が起きた人間を「呪われた人間」通称「凶人」と呼んだ、これが「凶人」の名前の由来である。

 

 その存在に恐怖を感じた人々は、凶人を迫害、差別をするのだった。

 

 が、凶人にはとてつもない身体能力など、人間より優れた能力を持っていると研究でわかった時、世界の権力者は立場保持のために、世界各国にて無数の凶人収容区を作り、もし、凶人達が反抗してきた時の対抗策として「GIQ」という組織を創設するのだった。

 

 そして、収容区に突然変異を起こした人々は、収監され、今現在もコンクリートに囲まれた壁の中で、ひっそりと暮らしている。

 

 しかし、反社会組織「アーク」が起こした「革命戦争」により、凶人を研究していた研究施設が爆破され、特殊な実験体五体が脱走する。

 

 革命戦争は、それだけの被害ではなく、大規模な建物の被害、膨大な人数の死者を出した。

 

 そして、その戦争から五年後、これはある一人の少年の物語である。

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