陰キャでクラスで目立たない俺がバカにしてくるイケメン陽キャから学年1の美少女を別れさせ、教室とかでイチャイチャする

白金豪

第1話 他人の可愛い彼女を奪いたい欲望

 突然だが、他人の可愛い彼女を奪いたい。思ったことは無いだろうかい?


 俺、木越優成きごし ゆうせいはある。


 なぜなら、俺のクラスで爽やかイケメンで男女から絶大の人気を誇る。三宅貫みやけ とおるが学年で1番可愛い美少女と付き合っている。それが理由である。


 しかも、こいつは何かと俺をバカにする。その上、彼女とのイチャイチャを俺に見せつけてくる。


 そんな奴から彼女を奪いたい。そう思う奴も少なくない。


 違うかな?


三宅 貫「よぉ! 相変わらず陰キャ感が漂ってるな~」


 ほら寄ってきた。静かに自席に座る俺に寄って来た。見下した口調で話し掛けた。


 おそらくわざとだろうが。バンバンッと俺の背中を強く叩いた。


 毎度、痛いんだよなこいつ。


 あぁ~。うぜぇなぁ~。


俺「相変わらず俺に絡むのが好きだな。暇なのか? 」


 俺は皮肉を交える。


三宅 貫「ぶはっ。そんなわけねぇじゃんか。笑わせるな。お前みたいな陰キャが1人で可哀そうだから。仕方なく絡んであげてるだけじゃんか。おい、お前らちょっと来てくれよな? 」


三宅貫の友人1「なんだよ貫。いきなり手招きして」


 教室の後方のロッカー側で、雑談に勤しむ2人の生徒が貫と合流する。


三宅貫「ちょっと聞いてくれよ。こいつ、 俺が好んで絡んでるよ思ってるらしいぜ」


 笑みを押さえながら、友人に話し始める。


三宅貫の友人1「おいおいまじかよ。頭の中お花畑かよ」


三宅貫の友人2「本当にな。完全に暇つぶしの道具なのにな」


 2人の友人達も笑いを押さえる。だが、完全に笑みは溢れる。


 明らかに、こいつらが俺をバカにしてるのが認知できるんだよな。


 本当に性格クズだよな。毎日、俺をバカにして飽きないのかな?


 率直な疑問が浮かぶが、声には決して発しない。発してはいけない。


中須賀 花梨なかすか かりん「三宅君~」


 三宅の彼女の中須賀が駆け寄る。満面の笑みもキープする。


 中須賀 花梨。黒髪ロングに紫の瞳。純白な肌に整った鼻。きれいと可愛いを併せ持った容姿。学年で1番可愛く人気がある美少女だ。その上、文武両道だ。性格も良いらしく文句のつけようがないわけだ。


三宅 貫「お~。花梨か。どうした~」


中須賀 花梨「貫君に会いたくなったから休み時間に隣のクラスから来ちゃった」


 満面の笑みで中須賀は三宅に接近する。自身の存在をアピールする。


三宅 貫「そうかそうか。偉いぞ」


 三宅は中須賀の頭を優しく撫でる。


中須賀 花梨「うぅん~」


 気持ちよさそうに中須賀は目を瞑る。完全に2人だけの空間が醸成される。


三宅 貫「悪いが陰キャ。名前は分からないが、俺は彼女とイチャイチャする用事ができてしまった。だからお前との暇つぶしは終了だ」


 ご機嫌な口調で三宅は中須賀の肩に腕を通す。そのまま俺の席から離れていく。


中須賀 花梨「もぅ。三宅君は積極的なんだから」


 嬉しそうに中須賀は頬を緩ませる。


 ちっ、陽キャ達め。羨ましすぎる。


 俺は黙って顔をしかめながら、ラブラブカップルの後ろ姿を見つめることしかできなかった。

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