第15話 助言

ナミコは封筒の中の10万円をどうしたらいいのか悩んだ挙句、ミサコに電話をした。


「こっちからねだった訳じゃない。相手がくれるって言うんだから貰ったらいいんだって!」


「それって、売春みたいだな。」


「売春ならそれだけのお金払ってもナミコ指名したいってこと。それだけの価値がある思えばいいのよ。

ねぇ、ナミちゃん、、。

お互いにさ、親には苦労されられたよね。

働いてもお金無くてさ、私は早々に愛人を副業にしたけど。」


そうなんだ。私達、似たもの同士だったんだよね。

ミサコが愛人になると言ったとき頭がおかしくなったのかと思ったけど、そうでもしなきゃ

欲しい物ひとつ手に入らないんだもんね。


「ナミコさ、あたしの事を軽蔑してたでしょ。

わかってたわよ。でもさ、人間なんてさ

そうそうルール守って生きてても面白くないのよ。

メールで口座も送りなよ。

ナミコ、子供達は幸せにしたいでしょ。」


ミサコの言うとうりだった。ナミコは初めて会った事の子供みたいに純粋で明るいミサコが好きだった。

だから、愛人になると言った時には、汚らしい気がしてしまった。

けれど、ミサコはいつも変わらずに無駄なお節介はしないけど、いざ鎌倉の時には

助けてくれた。


子供達の幸せか、、。

泥水を飲んでも生きてかなきゃね。


ナミコは息子の口座番号をメールで送信した。

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