第13話 酔う

車から降りようとして最後に唇をあわせる。


彼の車が走り去ったあと、ナミコは

ほてったからだを少し風に当てていた。


友達のところへ戻ると、ミサコは

何にも言わずにお酒を飲み、タバコをふかしていた。


「子供達寝かせてくれたんだ。

ありがとうね。」


「ふーん。良かったみたいだね。いい顔してるよ。」


「ねぇ、いいのかなぁ、、。相手は妻子持ちなのにさ。」


「また、優等生発言ね。いーじゃない。

あたしなんて、そんなの何度もしてるけど、

今もなんだけど、何とも思わない。

好きな気持ちをいつも常識に縛られてる

ナミコは悩んじゃう?」


「好き?それってどんな気持ち?」


「はぁ?好きだから抱かれたんでしょ。

いつも、自分の気持ちに気づかない振りしないでよ。素直じゃないんだから。」


「何だかわからないんだもん。」


「まっ、男がいた方がいいのよ。セックスしないと女はブスになるんだからね!」


ミサコは男女関係に自由奔放だった。

正反対のところがナミコは好きだった。


「私も飲もうっと。」


ふたりともお酒が強かったから、どんどん呑んで酔っ払ってきた。


ミサコはいい物を見せてあげると言って

タンスの引き出しをゴソガサしていた。


「はい、これ。私、これ使ってるのよ」


それは、いわゆる大人のおもちゃという物だった。

ナミコは酔っ払ってるのも手伝って、

笑いが止まらなかった。


ミサコやるわね。

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