夫に殺された令嬢は幽霊となり生き返る〜殺されたはずなのに目を覚ますと幽霊になっていました!?〜

ちーずけーき

第1話 幽霊令嬢




「お前にはがっかりした」



夫、エドマリスが残念そうに呟きながら私の胸を刃物で貫く

何回も、何回も滅多斬りにされて私の体からは大量に血が溢れる

人間はあっさり死ぬものだ

嫁いできた時はエドマリスはこんなんじゃなかったのに

いつ、私は間違ったのだろうか




―――多分私は死んだんだろう



目を覚ますと浮いていた



『は?』



自分の手を見るとほんのり透けている

これは幽霊というやつだろうか

幽霊は精霊の一種で強いから契約する人も多いんだよね

周りを見渡すと古びた神殿らしいので苔だらけの女神像があった



『アリス。目が覚めましたか?』



女神像は不思議なことに喋ったのだ

あら?私は今心霊現象を見ているのかしら?



『残念ながら心霊現象ではなく私は女神ベーレ。分け合って像から会話させていただいていますが、アリス。貴方は一回死にました』



知ってます



『そして可哀想な貴方を放っておけず私が幽霊の女王として転生させました』



は?

幽霊の女王なんてそんなんいるの?



『はい。幽霊を統べる王にして最強の幽霊。因みに外見は17程で私の趣味で桃色の髪に碧の瞳、に変更しときました。容姿も私並みに美人にしときましたのでご安心を!あと衣装はどんなのが良いですか?ゴスロリ服、聖なる服?』



じゃあマシな方の聖なる服で!



『Yes!ではよい旅を―――って忘れていましたわ!貴方は今日からアリスではなく女神ベーレの使い、聖帝シルディと名乗りなさい』



女神像から声は消え自分の体をもう一度見ると物語に出てくる女神様が着るような服を着ていた

私の茶髪ボブヘアで天パだったはずの髪は桃色の長すぎるんじゃないかと言う程伸びストレートの羨むくらいきれいな髪に生まれ変わっていた

じゃあこれからどうしましょう?

そうだ、確か魔法なんか有るのよね

どういう呪文を唱えれば良いのかしら



『エドマリス、死ね』



今まで言えなかったエドマリスの愚痴を溢す

その瞬間古びた神殿の柱が数本ぶっ飛ぶ

魔法って面白いわね

暴言吐いてれば良いのかしら?



『ふふふ、面白いわねー!』



ルンルン気分で私は出口を探し彷徨う

幽霊って楽ね、足で歩かなくて良いもの

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