第4話:昼時

 僕の服を買い終わったあと、スリクさんは

「飯でも食おう。少し腹が減った。」

 と言い、盛大におなかを鳴らした。それを見たアヤがクスリと笑みを浮かべ

「もう仕方ないわね、、、て言ってもそうねそろそろ昼飯時ね。どこかで食べて帰ろうか。」

 と言った。確かに日が丁度頭の上当たりに来ていて僕も少しお腹がすいてきた頃だった。

「シオン君何が食べたい?」

「アヤ、この世界の食べ物知らないんだけど・・・。」

 アヤはしまったと思ったようで、少し顔を顰めた。

「そうだったねごめん・・・。」

「だから、アヤの好きな店連れて行ってよ。」

「・・・うん分かった。お父さん、フェレニカル行こう。」

 わずかに、迷ったあとアヤはスリクさんに店名であろう名前を告げた。すると、なにか不味かったのかスリクさんは顔を顰めた。

「ん?お父さんどうしたの?」

「いや、お前がいってるとこ確か、甘味どころであって飯屋じゃないと思うんだが?」

「そっそんなこと無いよ。あそこランチも食べれるんだから。・・・」

 しばらく二人の話を聞いていると行き先がどうも喫茶店である、という事はわかった。・・・確かにスリクさんの言うとおりご飯を食べに行く所ではないのではないと思う。

 ・・・そういえば、母さんもご飯を食べに行こう。と僕の手を引いてよく近くの喫茶店につれていってくれたものだ。女の子ってみんなそんなモンなのだろうか?それともアヤや、僕の母さんが特殊なだけだろうか?

「・・・?シオン君どうしたの?」

 何もしゃべらないのを心配してか、アヤが僕の顔を覗き込んできた。すこしびっくりして・・・いや正直に言うと、恥ずかしくて視線をはずし、

「ううん、何でもないよ。それよりも早くいこうよ。アヤがおいしいって言うんだから、人気のある店なんじゃないの?」

「え、あぁそうだね。お父さん早く行こう!」

「えぇー。お前本気で行く気だったのか。」

 よっぽど乗り気でないのか、いまだにスリクさんはそこから動こうとしない。

「いいから早く行くよ。行かないと後ろから魔弾飛ばしまくるよ?」

「はい。行かせていただきます。」

 っと、そんなこんなで僕達はお昼に向かうのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る