2023年

1月

 9日

 16:20

青空の僅か数センチ先

掴めるようで

手に取るようで

夕陽が彫った

層雲の凹凸


 16:30

陰りの下りを駆け降りる

凪の雰囲気だったのに

加速するごとに硬直を始めた

風邪っ引きのひんやり

寒と冷涼


 16:53

目指すは僅か数センチ先、青空は

掴んでいた

手に取っていた

雲も隔てぬ階調の天

地を一つ蹴る


 17:46

外界に戻るは浦島の如く

色調も温度もダルい

陽の没後

長針が一周するだけの

遠き昔に想いを馳せた


 17:58

自転車の僕を怖がる小薮の葉音

摩擦ブレーキに応じる忙しい葉音

靴底と地面に小躍る葉音

目に見えぬから分からない

喜怒哀楽も想像通り

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