エピローグ

 メルボランの裏。

 どれだけの工夫を凝らしても決していなくなることのない裏の世界、犯罪組織の数々が暗躍し、人々の欲望と悪意が渦巻くこの世界の裏側。

 

 そんな犯罪組織達が暗躍する裏側の世界で。

 少しずつ、だが確実に変革な嵐が吹き荒れていた。

 

 抗争ばかりであった犯罪組織が協力し合っていつの間にか一つの巨大組織に。

 表舞台では決して商売をやることのなかった組織が水商売、賭博などの賭け事を合法的に行い出したり。

 その実態が黒いことは間違いない。

 暗殺、誘拐、麻薬、数々の犯罪行為を行っているのははっきりとした事実だ。

 

 だが、それでも犯罪組織の過激さは徐々に収まってきていた。

 そして、その裏側にはとある一人の少年の姿が……。


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「よし……よし、いいぞぉ。これでノーム様から託された薬草集めはすべて終わりだ。くくく、これでボコボコにされずに済む……」


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「ふふふ……ノーム様に言われた魔物の素材はこれで全部。ふへへへ、これでノーム様にお褒め頂けるわ」


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「ふぅむ……一応ノーム様に言われた通りに組織を拡大させ、他国にまで進出したが……一体これに何の意味があったというのだ?うぅむ……わからぬ。わざわざ我ら犯罪組織を巨大にさせる必要は何処に……?」


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「えっと……フォーエンス公爵領での犯罪をうちの要らない子がやったことにして……っと」

 

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「くくく……これで完成だ。完璧な工房が出来上がった。ノーム様の言われた通りに、だ!これで俺様も働いたってことよ!褒美だ褒美ッ!」

 

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「……メルボランにしかないこの木の実を大量に集めましたが、これが一体何に使えるんでしょうか?こいつは誰もが認めるゴミのはずですが……まぁ、良いです。私はノーム様の命令に従うだけですから。早くノーム様の元に帰ることにいたしましょう」


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 ノームは、アレス・フォーエンスは犯罪組織を利用し、せっせと母親の薬を作るための準備を進め……とうとう時が満ちた。

 役者は出揃い、物が集まった。

 アレスは無事にメルボルンでやらなければならないことをすべて終えたのだった。





 あとがき


 第一章のエピローグです。

 物語はまだまだ続きます。

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