第7話 今後の課題

ギルドマスターからお詫びにオークダンジョンをもらった。オークは力が強くしぶといため中級ダンジョンになる。俺は今までスライムダンジョンしか攻略していなかったのでどの程度のステータスが必要になるか分からない。


ただ、スライムダンジョンは完全に掌握しているために暇を持て余していた俺にはちょうどいい機会だった。


ちなみにオークの肉は食えないこともないが豚肉には劣る。現代の食に関する研究には遠く及ばない存在だ。そのため討伐したオークは焼却処分が推奨されている。


そんな話は置いておくとして、俺は今、通販で探索者装備の一覧を眺めているところだ。


それはスライムならゴム手袋で十分だったが、オーク相手に素手で戦うわけにはいかない。いやできないこともないが・・・。


そのため、装備を厳選しているところなのだが、日本は探索者がほとんどいないためお店がないに等しい。だから海外のサイトを見ているのだが学のない俺は英語なんか知らない。


いつもアメリカに行くときには通訳を雇っているし、向こうの企業も日本語の資料を用意してくれているので困ったことがなかったのだ。そこでパソコンとにらめっこしていたのだが諦めることにした。


「別に武器に頼らなくても余っている魔力を【ドッペルゲンガー】に与えればいいか」


と短絡的に考えた。


試しに、魔力10、体力1、素早さ10という振り分けで1体のオークを討伐するたびに拠点へ戻るという設定で【ドッペルゲンガー】を突撃させた。そのあとマッピング用と動画撮影用の【ドッペルゲンガー】を出撃させ様子を見ることにする。


そこで出た問題点が。


「あいつら集団行動するのか・・・」


ということだ。魔法1発で1体のオークをしとめることはできるが、オークが次々に湧いてくるのだ。最終的には魔力切れを起こして魔石を拾って帰ってくるということを繰り返し、マッピングは一向に進んでいなかった。


索敵も行っていなかったため死角からの攻撃で撮影用の【ドッペルゲンガー】が数体やられたりもした。ここにきてソロ活動しか学んでこなかったつけが回ってきたのだ。


パーティー活動について考えているときに来客があった。ここに来るのはギルドマスターか受付嬢のどちらかだ。しかも今は2拠点を持っているためどちらにいるのかは気分で決めている。その両方の場所を知っているのはこの2人しかいない。


というわけで玄関へ向かうと、その両方が玄関に居た。


「春樹君。例の探索者をサポートするという話なのだが、今話をしていいだろうか?」


「とりあえず上がってください」


俺は2人を部屋へ招き入れ具体的な資料をもらい話を聞く


話は長くなるので割愛するが、結果ゴブリンダンジョンへの入場許可とそこへ探索へ向かうことにしたパーティーの構成とステータス情報を開示してもらえた。


俺は難しいことは考えることを辞めて、パーティー活動を実戦で身に着けることにした。

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