つきひたす/うみのはるかのひとひらを/あしもとよせる夜鯨しづか

つきひたす

うみのはるかのひとひらを

あしもとよせる夜鯨しづか


月浸す

海の悠かの一片を

足元寄せるよいさな閑か



未言

夜鯨(よいさな、夜勇魚)

夜の海のこちらを呑み込んでしまうような気配を、鯨に例えた未言。

夜の海は昼よりも深く大きな存在感を持ち微睡んでいる。

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