第八話 姉夫婦の相談事
「葵さま、起きられてください」
千歳はそう言うと葵を見遣った。
葵は仕事以外は朝が弱い。ほぼ、元旦は寝正月だ。葵はかろうじて夜着から和装に着替えているが。
「今日は眠い……寝かせてくれ……全然最近、眠れていないんだ」
と葵は眠たそうにこっくりこっくりとしていた。
「それは大変ですね。葵さま」
と千歳はぬいぐるみを二つ持って、葵を起こす。
「あたしポン子よ。ぼくぽん吉だよ。僕たちは二人揃って仲良し小好し〜」
ぬいぐるみで葵の背の輪郭をなぞった。
「……可愛い人形劇だな」
葵はしんどそうな目でそう言った。
「葵さま、起きれてください」
ぬいぐるみは皇帝ペンギンを象った。耳の垂れたうさぎを葵の背になぞる。だが、葵は起きない。
「葵さまにわたしは腕をふるって朝餉を作りましたよ。葵さま。葵さま。起きられてくださいね」
千歳は困った様子である。
千歳は甘味処の娘なので料理が得意なので極めつけである。葵はしんどそうな目つきで料理のほうを見遣った。腕をふるって作った甘味を披露した。
「……料理?」
葵は目を丸くする。
葵は極度の低血圧症なので朝が弱い。千歳は葵に天の川に着想を得たお菓子を食べさせてあげる。
「どうぞ、お召し上がってくださいませ」
葵は目を瞬く。
「これは……?」
「七夕の天の川に着想を得て作りました」
千歳は嬉しそうに葵にくっついた。葵は羊羹を口に運ぶ。
「ぜひ、お召し上がってください」
「……美味い」
葵は頬張ると羊羹に賛美をくれる。
「というより、お前は料理作るのうまいんだな」
千歳はふふっと笑った。
「わたしは伊達に甘味処の娘ではありませんよ」
千歳はそう言った。
「美味い。ありがとう」
「葵さま、お見事に完食です」
葵は千歳を見上げるとこう切り返す。
「……別に。拍手しなくても良いんだがな。千歳、俺の母親が言ってたが、姉さんが子作りしないらしい」
「あら、そ、そうですか」
と千歳は目をウロウロさせる。
「お前はどうだ?」
葵は千歳に尋ねる。千歳は硬直していた。
葵は千歳のほうに視線を投げる。
「……え? ……こ、子作り?」
千歳はお盆で顔を隠した。葵は千歳を見て頬を包む。
「今日から姉さんが来るからな」
「葵さまのお姉さま?」
と義姉のことか。ずっと会ってみたいとは思っていたものだ。葵はこう話す。
「姉夫婦が子宝を授かりたいから
と葵は続ける。
葵は「まあ俺は大人だから」と付け加える。
窓辺から爽やかな秋風が吹いて、千歳の前髪がはらりと流れる。
「お姉さまの安産祈願?」
千歳は呟く。葵は千歳を見遣った。
「……お前も行かないのか?」
寸鉄を突く。
痛いところを突かれた。
「……えっ? な、……なんでもありません!」
と千歳はぷいっと顔を背ける。
(なにをそんなに顔を赤らめている?)
千歳は思う。もう自分とは許嫁なのだから葵はいい加減にそういうことがしたいだろう。男性ならば。
「千歳、お前は行かないのか?」
「あ、……安産祈願?」
千歳はそそくさと万葉びを片付けてこの場を去ろうと思ったが始末が悪かったようだ。葵の屋敷に来てから食べるものには全く困らなかった。葵の容姿と財力ならもっと自分より格上の相手だっていたはずなのに。
「千歳、自分には関係ないと思っているだろう?」
寸鉄をつかれる。
「あ、葵さまは……?」
「……俺は子供が欲しい。お前は?」
と葵ははっきりした口調だ。顔に熱が上昇してくる。葵との子供を産むなど、恥ずかし過ぎる。
葵とはあんな事やこんな事をするのか……? 千歳は思う。正直、想像するだけで恥ずかしい。痛いところを突かれた。
葵はああいうこともこんな事もする。顔に熱が上昇する。
「いまは無理です。葵さまとはこんな事もあんな事はしたくはありませんよ」
「あのな。俺が言ってるのは、姉さんとその旦那さんの子供の話なんだが」
と葵は言った。
千歳は頬に手を当て恥ずかしがる。自分は勝手に盛り上がっていた。自嘲する。
「えっ? そうでしたか。すみませんね」
と千歳は謝った。
「別に」
「お義姉さまの安産祈願を行くので、わたくしめを連れてきてと申されたんですか?」
と千歳は葵の言いたかったことを言う。葵は眉をしかめたままだ。
「……トドのつまり。まぁそういう事だ」
葵は千歳に伝える。
「……そうですか」
「なら、お前は稚日女命になにか宣言しに行くのか? お前の方はどうだ?」
と葵は聞く。
だが、千歳は話をほぼ聞いていない。
「わたし、お義姉さまの安産祈願なら喜んでいきますよ」
千歳は拳を振り上げる。
葵はしんどそうな目で千歳を見遣った。
「全ては葵さまのお義姉さまのためですよ」
「お前はどうなんだ?」
と葵はもう一回聞き直す。
「お義姉さまのためならなんでもやりますよ。お義姉さまのためですよ」
千歳と話が完全に噛み合っていない。
「俺はお前との子供が欲しいが……?」
と葵は呟く。
千歳は窓を開けて鈴を転がすような声で笑う。
「良いんです、良いんです」
「……俺はまた寝る」
葵は千歳にやや引き気味な面をした。
「葵さま。ぽん吉とポン子のぬいぐるみ劇をお見られてください」
「それはそれで良いんだが。かわいい人形劇だな。俺はまた寝るぞ」
と葵は寝てしまった。
(……お日頃のお疲れが溜まっていらっしゃるんだわ。葵さまは寝てしまったわ)
「……ぼく、ぽん吉です! ちゅんちゅんちゅんちゅん。シューっ。葵さまの背中をシューしました。次はポン子が行きます。 ちゅんちゅんちゅんちゅん。シューっ」
千歳はぬいぐるみで背をなぞった。葵の肩が震えている。少々、微笑んだ。
「……かわいい人形劇だな」
「眠ってるの気持ち良いですか?」
「まぁ」
葵の笑顔はとても尊いのだ。千歳は葵の髪を撫でる。
「葵さまの笑顔を初めて見れました。ぼく、ぽん吉くんもポン子ちゃんも二人揃って嬉しいです。二人はとっても仲良しです。葵さまの笑顔が見れてわたしとっても嬉しいです」
目の前が反転した。
千歳は葵に押し倒される。手首を掴まれている。
(……え?)
葵の端正な顔立ちが窺える。おもむろに千歳は繊細な白魚のような手元を絡められる。
「葵さま?」
「ぽん吉くんとポン子ちゃんの人形劇もとても良いんだが……」
と葵は言った。
なにか気を障ることでも言ったのか?
(ぽん吉くんに焼きもち焼いてしまった? それともなにか気に障ったかしら?)
「わっ、わたし、なにか葵さまの気を触るような事を言いましたか?」
「……いや? 毎晩のように嫌な夢を見てしまってな」
と葵は具合がよく無さそうだ。葵の眼の下には隈があった。
「……たしかに葵さまの目元が隈がありますね」
と千歳は葵に手首を掴まれている。
「ぽん吉くんとポン子ちゃんじゃ、力不足ですか?」
葵は頭を横に振った。
「……俺はお前がここからいなくなってしまう夢を見たんだ」
「……え?」
千歳は思う。そんな夢はあるわけが無い。けれど不器用に葵はそう話す。
「……実に悪い夢だった」
「あ、葵さま?」
「ぽん吉とポンコツなんとかだったか?」
「ポン子ちゃんはポンコツじゃありません」
千歳はそう否定する。
葵は微塵もそうとはとれぬ口調で話す。
「フン。悪いな」
「ポン子ちゃんに謝ってくださいよ、と言うのは……冗談でして、悪い夢とは?」
と千歳は聞き返す。
「お前が家から出て行ってしまう夢だ」
「これからもわたしはそんな事はありません」
千歳は急いで、否定する。
「微塵にも思ったのことはないか?」
「ありません」
と千歳は葵の眼をしっかり見据えた。
「お前とは悪夢を交互に見ているな……なにか因果関係があるのか?」
と葵は原因究明をする。
千歳がこの屋敷を去る理由がわからない。こんな優しい人なら一生ついていきたい。千歳は考える。
「うーん。なぜでしょうね……」
「千歳は悪夢は見なくなったか?」
と葵は千歳の目を見つめる。葵の色の薄い、青い瞳の奥に千歳が映る。
「はいっ!」
「良かった」
と葵は安堵した様子だ。葵が千歳の上にのしかかる。
「ギャフ! 葵さま……重たいです」
「眠い……せめて悪夢を見るなら、お前の胸の中で寝たいんだ」
「葵さまーっ! 重たいです」
と千歳は叫んだ。
するときれいな声がした。
千歳は思う。葵と似た声質からして姉弟か。
「ごめんください」
「はーい」
千歳は玄関に行く。
玄関にいたのは肩くらいの長さの髪を揺らした。首にほくろのある、洋装のモダンガールの美人がいた。千歳と目があった。千歳は一瞬で顔が、葵に似ていると思った。
「ああ、姉さんか? おあがりください」
葵はそう言った。
「お邪魔します」
翠は玄関先で靴を揃える。
「紹介が遅れた。姉の翠だ」
翠はにこやかに笑って答える。千歳は翠を眩しい人だと思う。
「はじめまして。こんにちは。私は葵の姉の
翠は微笑んだ。
まるで雪の妖精のような美しい女性だ。
「はじめまして。わたしは坂田千歳と申します」
と千歳は丁寧にお礼をした。
「あら? 貴女、とてもかわいい子じゃない!」
「ありがとうございます。褒め言葉として受け取っておきます」
千歳は微笑んだ。翠のほうが数段きれいなのに。翠は人懐っこい人で優しそうな良い人である。
「あら、葵、許嫁の子はすごくかわいい子じゃない」
葵は居間を案内する。葵とはあまり顔が似てない。翠のほうが少々ふっくらしているが。
「……姉さんには関係ないだろう?」
「葵と私は顔が似てるとは言われないのよ〜! 全然顔も似てないの〜!」
千歳はこの人の義妹になるのだったら気も許せるだろう。
「……お
「義村なら玄関先に居るわよ〜。旦那は武道はやれるけど極端な人見知りなのよね〜」
と翠は玄関のほうを見遣った。
義村は今のところ姿を現していない。
「千歳、悪いが、お
「はい」
と千歳は返答する。
千歳が、玄関に行くとザンバラ髪に、和装を着た男性がいた。
「こんにちは」
「こんにちは。君が、千歳ちゃん?」
義村は気の良さそうな義兄だ。千歳は丁寧にお礼をした。
「はじめまして。葵さまの許嫁の坂田千歳です。宜しくお願いします」
「自分は
と自己紹介を交わす。義村は大柄な体格で、武道が出来そうだ。葵が背丈が、
「自分は贈り物を懐にしまっておきました。つまらないものですがどうぞ」
と巾着袋に入ったのをくれた。
「星の形をした、コンパクトミラー?」
と千歳は驚いた。
「千歳ちゃんのご趣味に合うと幸いです。和洋折衷なコンパクトミラーになりますが」
「嬉しいです、ありがとうございます」
千歳は思わず、義村の手をとった。
義村は遠くを見つめてこう呟く。
「翠は見た目はとっつきにそうに見えますが、中身は優しくて明るい元気な人ですよ。自分が言うのだから間違いは有りません」
と義村はそう言った。
「義村さん?」
と葵が声をかける。
屋敷の主人となればそうだろう。
「葵くんも随分とお久しぶりですね」
「話とは? お上がりください。話なら俺の屋敷で聞きましょう?」
と葵はそう言った。義村は茶の間に腰掛ける。翠と義村はこう話す。
「実はあまり自分たちは子供に恵まれないんです。葵くんと千歳ちゃんを巻き込んでしまって大変申し訳ない話ですが」
と義村は申し訳無さそうに言う。
「そ、そうですか……」
「葵くん、なにか思い当たる節はあります?」
と義村はそう言った。
「そうですね……」
葵は顎に手をやった。
「……なかなか子宝に恵まれないのは」
「葵くん、実は私の母が翠にさんざん、男を産め、といびるんです。その重圧から
と義村はそう言った。
姉とはいえど人様のご家庭のことは口に出せないのだろうと思った。
「どうせなら
と義村は提案をした。
「……構いませんが。稚日女命は安産祈願の神様ですし、宜しかったらご一緒に行かれませんか?」
と葵は訊く。
「はい」
「千歳ちゃん、かわいいわね!」
と翠は嬉しそうだ。
「ふふっ、ありがとうございます。翠さんもかわいいですよ」
と千歳は返す。
「千歳ちゃんつまらないものですがどうぞ」
「ありがとうございます」
と千歳は貰い物を貰った。
「葵、千歳ちゃんを貰ってもよいかしら?」
「だめだ。姉さんには千歳はあげないぞ」
と葵は言った。
本殿のほうに向かず、縁日で模擬店が出店している。四人はそれぞれ菓子類などを買ってくるので、また集合しましょうという話になる。千歳は射的に夢中になっていたら
「あら? 千歳ちゃんじゃない!」
「私は
綾瀬川玻璃は
「あら? 貴女が、千歳ちゃんよね?」
千歳は誰だろう?と思った。
「以前私は葵と交際していたの」
千歳の目の前が真っ暗になった。
玻璃はとても美しい女性だ。見目麗しい葵ならこんな女性を選ぶだろう。
「はっ、はい……!」
と千歳は
そこへ朔太郎が駆け足で駆けてくる。
「千歳ー!」
遠くから、朔太郎が千歳を呼んでいる。
「あ! お前、真田さんの屋台のたこ焼きを食い逃げしただろ?」
「すっ、すみませんねぇ。私、忙しかったので払い損ねてしまいましたわ」
と玻璃は明らかに見え見えの嘘を付く。
「千歳ちゃん、話があるの」
玻璃はきれいな唇の口角を上げる。今日は丁度縁日で人がごった返していた。玻璃はきれいな顔で毒を吐いた。
「千歳ちゃん葵との許嫁を解消してほしいの。その薄気味悪い髪色が、子供に遺伝したらどうするのよ?」
玻璃は続ける。
千歳は凍りつく。玻璃はきれいな赤みかがった髪を揺らしてそう言った。
葵の交際相手でこんなに毒づく女性もいらっしゃったんだ。
「あら、可哀想なこと。地面に這いつくばってお願いするなら許してあげてもよくてよ? 葵みたいな良い男が貴女みたいな女性に相応しいわけがないわ」
千歳は葵が見た夢の内容を思い出す。夢は千歳が屋敷から姿を消す内容だった。
「……!」
「葵も葵で、貴女みたいなおこちゃまで
と玻璃は口をひん曲げて言う。
自分だけやられるならと思った。必死に耐える。玻璃の許へ朔太郎が、駆けてくる。
「綾瀬川さーん! ちゃんと勘定払ってもらえますー?」
朔太郎が叫ぶ。
葵が自分を探している。葵も遠くから千歳の様子に気づいたようだ。すると玻璃は朔太郎を指さして、こう言う。
「葵! 私、この男性から付け狙われてきたの!」
と朔太郎を指さしてそう言った。朔太郎は嫌そうな表情だ。
「……はぁ? あんたが、たこ焼きの勘定払わねぇからだろ?」
と朔太郎は憤慨している。それでも玻璃は嘘を貫き通す。
「へぇ、朔太郎さん、私は綾瀬川家に嫁ぐことができたけど、こんな子じゃお役御免ね。こんな子なんて振ってしまえば良いのに」
葵が駆けつけてくる。葵が玻璃を制した。
「お前には関係ない。ここを去れ」
「……葵みたいな良い男が、こんな子を? 偽善染みてるのよ。葵のその優しい性格が、私は気に入らないわ。千歳ちゃんもその点を踏まえているなら、葵の事を大切に思うなら別れてあげてくれない?」
と葵まで
千歳の中で激しい怒りを覚える。
「
千歳は玻璃の頬を思いっ切り引っ叩いた。
「なっ! なにをするのよ……!」
葵の事を侮辱されたのなら腹が立つ。葵の優しい性格が、気に入らない? 甚だ冗談ではない。こんな人と葵は付き合ってきた? こんなわがままな女性が? とんでもない。
「わたしのことをいくらを言われるのは構いませんが、葵さまを侮辱するのは怒ります。もう二度と葵さまに気安く近寄らないでください!」
と千歳はぴしっと言った。
朔太郎は警察を連れてきたようで、警察署まで来るように連行される。
「綾瀬川玻璃。ちょっと、署まで来て貰おうか?」
警官の方がいらして、玻璃は囲まれる。
「……坂田さん、この
警官の方に手錠をかけられる。
千歳に捨て台詞を吐いて唾も吐いた。
「千歳ちゃん、騒ぎがあったみたいだけど、どうしたの?」
翠は心配そうな表情で、綿菓子を購入してきた。千歳と半分こでもしようとしたのだろうか。
「葵さまの元交際相手が逆上して来たんです」
と千歳は言った。
「……それは大変だったな。葵くんも、気を取り直してお参りに行きましょう?」
と義村は返した。
朔太郎は
華は朔太郎の妻。華は子どもを連れてトコトコ歩くようになる。夏は三歳で、ニコニコしている。華は二人目の子を身籠り、臨月を迎えている。華は夏祭りに来ていたらしい。
「
華はそう言った。
「ああ、よかったわ。上の子が、夜泣きをしていたから」
と華は言った。
朔太郎の許に行くと、華は嬉しそうだ。
四人で参道を歩く。二礼二拍一礼をした。
千歳は丁度、雅楽と祝詞が通り、神聖なものを感じる。ご利益を得られると。夜が更ける。四人の願いを夜空に向ける。
翠が四人で記念にランタン祭りでもしましょうと言って。それぞれ願いを書き、空へ還した。ランタンが夜空に飛んでゆく。まるで四人のそれぞれの願いを叶えるかのように。
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