第22話 解説者
解説者
ハーフパンツのポケットに入っていたスマホはもちろん自分がいつも使用している白い奴だ。
裏にはいくつかのプリクラが貼ってあり、落としても傷がつかないよう防振カバーも付けてある。
このスマホで3台目、以前のスマホは壊れてしまった、激高するとその場でワンパン、又はキックをくらわしポケットからスマホを落とすことがよくある。
必ず最初に防振カバーを購入し装着している、そうしないと3台では済まない。
「そんで、ここから出る方法その2クエストだっけ、どうすればいい?」
「この世界はスマホゲーム版RPG(ロールプレイングゲーム)に準拠しております」
「あ~ファムコンのスマホ版か、そんで?」
「ゲームはあまりなさらないので?」
「最近のはあまりやんねー、勉強もあるし」
「それは残念です、それでは詳しく説明する必要が有りますね」
「そうかも…」
「まずはこの世界ヘブンスバースはRPGゲームと同じ世界、中世ヨーロッパ風の剣と魔法の世界と考えて頂いて構いません」
「…」
「その世界で花梨様には冒険をしていただきます」
「冒険?」
「クエストを100回こなすためには冒険が必要です」
「ふーん」
「冒険するに当たってまずはこの世界での職業を選択していただきます」
「職業?」
「はい職業です」
「例えば?」
「剣士・魔術士・工作士などです」
「ふーん」
「その職業はLV99で変更もできますし、派生した2次職へとバージョンを上げることも可能です」
「その前にクエスト100回終わんじゃね?」
「そうなれば死ぬ前に現世にカムバックできます」
「軽くそう言うってことは、そんな簡単じゃね~って事か?」
「その通り、鋭い!」
「そんで?」
「クエスト100回こなすに当たってこの世界の基本ルールがございます」
「基本ルール?」
「この世界ではプレイヤー様は善行を重ねていただく事が条件になります」
「善行ね、その逆もあるようだな…」
「その通り善行と悪行のバランスにより現世へカムバックした時、死んで戻るか生きて戻るかが決まります」
「なんだそれ?」
「もちろん善行を沢山重ねてクエストを完了すれば、何も問題はございません」
「そんで?」
「今まで死に戻った方々はこの世界に入る時すでに悪行の方が多く、初期の優遇処置を受けられなかった可能性が高いです」
「優遇処置?」
「現世で積んだ善行が最初に反映されます、要するに善行が沢山あれば特典として最初に色んなプレゼントがもらえます」
「そうなんだ、なるほど…」
「花梨様は現在善行LV20がございますので、最初にこちらから20個の特典をプレゼントいたします」
「20個…そんで?」
「冒険に必要な20のアイテム、例えば武器、そしてスキルや魔法具などがこれに当ります」
「ふーん」
「それらは職業を選択してから選ぶことが可能なので、じっくり選択してください」
「選択できる職業って幾つ?」
「一時職は5つです、戦士・魔術士・癒術士・召喚士・工作士」
「クエストをこなしやすいのはどの職業だ?」
「基本は戦士になりますが、戦いに向いていない方は癒術士や工作士を選んでも構いません」
「早くクエストこなすには戦士って事か…」
「そうなります、全ての職種はLV99で転職か又は2次職へとシフトします」
「能力はリセットされんのか?」
「いいえ引き継がれます」
「ふーん、なら99までガンガン上げた方が良いんだな」
「そうなります」
「そんじゃ、戦士でいいや」
「かしこまりました」
解説者がそう言うと目の前にステータス画面が表示される。
「何これ?」
「ステータス画面と言う物です、現在花梨様は戦士となりましたのでステータス画面には戦士の能力が数値化され表示されています」
「これってずっと出しっ放しか?」
「オープンで表示されオフで非表示になります、ご自分にしか見えませんので、戦いの最中に閲覧するときはご注意下さい」
「なるほど…」
「この数値はLV上げれば増えるってことだな」
「その通りです、それから左下には取得したスキルなどが表示されます、現在は何も表示されていません」
基本ステータス画面は全員が同じだが、スキルの数やその種類などは色分けされたり注釈が付いたり、冒険が進めばかなり個人差が出ることになる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます