第14話 始まりの村

始まりの村


まさかAIアプリのせいでゲームの世界へ強制的に連れて来られるとは思ってもみなかった。

そういえばスクリーン画面では自分の姿が今どういう感じなのかわからなかったが、後で鏡でも見てみようと思う。


「それでは転送します」

「あ …」


少し待ってと言おうとしたが、無情にも目の前の景色は光に包まれ。

次の景色はどこかの村の中、吹く風は冷たく肌寒い。

(しまった!温度や痛覚を緩和するスキルも選択しておけばよかった…)

こんな時に浮かんだのは、たいしたことでは無かったが俺にはこれがそれほど悲惨な状況だとは感じていなかった。

村にある家は木や石積できているのか、どの家もみすぼらしく今にも壊れてしまいそう。


「おぬし旅の者か?」


どうやら村人の様だが、髭は白く杖を突きながら歩いているようだ。


「そ そうかもしれない…」

「この村は初めての様じゃな」

「はい」

「大変な時に来なすったな」

「大変な時?」

「この村は呪われておる、毎晩魔物が襲ってくるのじゃ」

「毎晩!」

「早くこの村から離れた方が良いぞ」

【ピロリン】

【クエスト発生・魔物を退治せよ!始まりの村の魔物退治】


ここでクエスト発生、そういえばマッピングでの情報には村の中に赤い点と青い点がいくつか浮かびあがっている。

そこをタップするとクエストが表示され、さらに難易度が表示された。

(爺さん村長なのか…なるほど難易度LV3か)

クエスト難度・LV1は当然、初心者向けになる。

だが今表示している魔物退治はLV3、今ここから立ち去ると次にクエストが表示された時は受けられないことも有る。


【クエストは断ることも可能ですが、2度と同じクエストは受けられなくなることもございます】


自動生成でしかもランダム生成と言う事なのかもしれない。

とりあえずLV3のクエストがどういう物なのか内容を見てみよう。


【クエストを受けますか?】

【YES/NO】

【YES】

「物好きな方もいる者じゃ、どうなっても知らぬが、これを持っていきなさい」


そう言うとポーションらしきものを渡される。


「あ ありがとう」

「せめてもの礼じゃ、おぬしの遺体はちゃんと葬っておくから安心してよいぞ」


死ぬこと確定かよ…

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