第8話 秋元君からの連絡
秋元君からの連絡
それから数日、俺と山口さんは相変わらずバイトに精を出している、時折行方不明になった数人の事を話し合ってはいたが。
あれからはまだ変化が無いと言う事で、とりあえず俺は静観していた。
『プリリリ』
『はい佐藤です』
『信之君?』
『秋元君か、どうかしたの?』
『心配性だな 佐藤君は、別に何も無いよ』
『そうなんだ』
『所で事件の事、聞いたよ』
『事件?』
『行方不明の女子大生とその取り巻き、これこないだの事件だよね』
『ああ』
『近いうちにどこかで話さない?』
『良いよ、いつにする』
『それじゃ今度の土曜日』
『土曜日か、昼間でも良いか?』
今度の土曜日、夜にはアルバイトを入れていないが、その日は家族で買い物に行く予定になっている。
おれは荷物持ちだと言う話、まあ仕方がない久々の親子水入らずの買い物なのだから。
俺は現在実家暮らしだ、大学へは電車とバスで通っている為、交通費は自分で稼いでいる。
学生だからって欲しい物は自分で稼いで手に入れなきゃね。
『ヤッパリあのアプリ気になるんだよね』
『秋元君も物好きだね』
『実はさ、僕の親戚に同じ年の従妹がいるんだけど…』
『もしかして3か月前の?』
『いや、その子は行方不明ではあるけど遺体で発見されていないんだよ』
『男の子?』
『女の子だよ』
『ん~ 不思議だね』
『その子は、いじめられっ子だった、優しい子で動物が好きで…』
『もしかしてその子の手がかりが欲しいって事?』
『佐藤君中々鋭いね』
『そ それほどでもないかな~』
『僕も気になっちゃって、受験が済んだら調べてみようかと思っていた所なんだよ』
『そうなんだ』
『でも、当てなんかないし、もしかしたらミツル君について行けば同じような状況に出くわすかなと、思っていたんだよね』
『でもミツルはいじめはしてないでしょ』
『彼のエロに寄って来る男子を探れば、もしかしたらと思っていたら佐藤君がいたって感じかな』
『ある意味ビンゴなのか、俺 別にエロはそれほど…いや何でもない…』
『あはは、佐藤君のそういう所僕は好きだよ』
『どうも』
『じゃあ土曜日、何処で待ち合わせる?』
『じゃあ三鷹駅南口朝10時で』
『分かった』
『じゃあまたね』
まさか秋元君の親戚に事件に巻き込まれたかもしれない子がいたなんて思ってもみなかった。
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