とても堅実で真面目な構成であり、起承転結が(短編でありながら)しっかりしていて、最後にはしっかりとオチを付けている所も好印象です。
不登校の主人公がどうやって学校生活に復帰していくのか、そもそもどうしてそうなったのか? その辺りの描写がとてもリアルで感情移入もしやすく、話しの骨格が非常にしっかりしていると感じました。
実行委員に参加する生徒たちも皆キャラが立っており、それぞれの性格に応じた役割が与えられている点も見逃せません。つまる所、人の居場所というものはそれぞれの役目、働きによって生まれるものであり、主人公が居場所を見出せなかったのは「私には何も出来ない」と初めから決めつけ諦めていたからに他なりません。
ところがどっこい、世の中というものはそんなに狭く単純なものではないのです。
悩みを抱えたり、自信が持ちきれないのは誰もが同じ。
そこを支えてくれるのが仲間で、互いを補い合うのが共同体というもの。
その辺りをしっかりと表現できている点で並々ならぬ作品だと言えます。
学園恋愛ものをお探しであれば、是非!