第2話 猫に粗相されたことがある人のみが私に石を投げなさい

 今回は一番年下のプリンセスちびちゃんのお話をしようと思います。


 ちびちゃんは去年の秋頃、雨がびしゃびしゃ降っている日に保護した子です。周りに親猫がいないかと思いましたが、本当に激しい雨で、とてもじゃないですが、見つかりそうにありませんでした。


 ちびちゃん自身もずぶ濡れで鳴き声はかすれ…。放っておいたら死んでしまうと思い保護しました。


 もちろん本当は親猫が来るのを待つのがベストだったのだとは思いますが、待っていてその間に命が尽きてしまったら…。様々な葛藤の末に命を守ることを選びました。


 ひとまずタオルでくるみ、ぶるぶる震えていたので距離を離してドライヤーを当てました。


 段ボールに湯たんぽとタオル、ちゅーるとお水をいれ、様子をみることにしました。


 その夜はなかなかちゅーるを食べてくれず、とても不安でした。


 次の日病院にいきましたが、大きな問題はなく、ご飯も少しずつ食べるようになり、一安心でした。


 ちびちゃんは全く手のかからない子でした。滅多に鳴かず、トイレは失敗せず、悪戯もしない…。逆に不安になるくらい良い子でした。


 ついつい私も言ってしまったのです。


「もう少し悪戯したっていいんだよ〜。」


 2週間後から約1ヶ月間。ちびちゃんの粗相と戦うことになるとも知らずに…。



 ある日のことでした。なんだか布団が湿っているのです。


 ん〜??じゃっさんはケージで寛いでいるし、むぎくんとちびちゃんは粗相をしたことがないし…。


 おかしいなあ、おかしいなあと思いながらも深く考えずにいました。


 次の日の朝。またもや布団が湿っているのです。私はようやく異変に気付きました。


 この時はまだ犯猫を特定できずにいました。というのもこの犯行、必ず人が寝ている時に行われるのです。


 草木も眠る、午前2時から4時の間ごろに犯行が行われていると推定されます。


 じゃっさんは夜はケージで過ごすので容疑者からは除外。すずちゃんも別の部屋ですごすので犯行は不可能です。


 そうなると容疑者はむぎくんとちびちゃんに絞られます。


 毎朝、足元の布団の湿り気で目を覚ます日々は続きます。


「つめたっ!やられた!誰?!」


 私が飛び起きる頃にはむぎくんもちびちゃんもまんまるお目目でこちらをみつめるのみ。


 いったいどっちなんだ…。


 そんなある日。私は珍しく早朝にトイレで目を覚ましました。なんだまだ4時か、二度寝だな。そう思い毛布をかけたのです。


 毛布の上に1匹の猫が乗ってきました。ちびちゃんです。


 あらあら、一緒に寝たいのね、ういやつめ………ん?なんか、濡れてない?


 ちびちゃんはあろうことか、私の足の上の毛布におしっこを始めたのです。


 現場をおさえた瞬間でした。


 犯猫が特定されたことで今度はちびちゃんと人間の、粗相をかけた戦いが幕を開けたのです。





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