第28話 デーモン閣下に不満なユリナさん

ユリナさんのご実家方面へ行った際、シンちゃんは長距離をがんばって運転してくれました。ユリナさんはとても感謝しています。ユリナさんも少しは運転できますが、シンちゃんのクルマは運転しません。ユリナさん用の軽自動車に限って近距離を運転できればOKというスタンスでした。


ですが、シンちゃん車に乗りながら、ユリナさんはモヤモヤしました。シンちゃんの車内では、延々とデーモン閣下のライブ動画が流れているのです。


デーモン閣下は素晴しいシンガーです。それはユリナさんも認めます。閣下が多彩なヒットソングをカバーしてすごく良いのですが、それにしたって何時間もずっと、デーモン閣下じゃなくても・・・


他にシンちゃん車で流れているのはバクチクとか(※BUCK-TICKと書くようです)米米クラブとか、とりあえず古いんですよね~~昭和です。


ユリナさん、昭和の音楽もスキですけど~~でもユリナさんはラルクが観たいと思いました。ラルクアンシエルのハイド様、神ですもんね?


シンちゃんに言いたいものの悩みました。シンちゃんの車ですから、シンちゃんセレクトの音楽を聴きたいでしょうけど、でもラルクアンシエルもシンちゃんは嫌いではなかったので、シンちゃんなら、Youtube動画をクルマで観たりできそうですよね?ユリナさんはできませんけど。


ユリナさん、意を決してシンちゃんへ伝えました。


「いつもデーモン閣下とか、バクチクだね・・・」


「村下孝蔵もあるよ。」


とシンちゃん。そうですね、村下孝蔵氏もありました。「初恋」は名曲です。「踊り子」とか、渋い・・・やっぱり昭和ですけど。~蔵、という名前、最近聞きませんね・・・


「ラルクとかも聴けたらいいけど・・・」


ユリナさん、なんとか言いました。自分ではできないので言いにくかったのですが、シンちゃんならできるはず~!!


「音楽ファイルはたくさん入っているけど、このクルマで読み込みできるのがあんまりないんだよね。」


・・・えっ?そういうのあるの??この時代、Youtubeでいろんな時代のアーティストの動画が観れますから、そういうのをネットから取ってきて自在にクルマにもデータを入れて観れるのかと思っていました。ユリナさんにはそんな技術はありませんけど、シンちゃんはアレコレできるだろうと・・・


でも、シンちゃんができないと言うならできないのね~・・・ユリナさんにはもちろんできませんが、シンちゃんができないのなら無理ですね・・・


ガッカリしたユリナさん。相変わらずデーモン閣下は熱唱中です。やっぱりこのクルマは閣下の独壇場なのね・・・?(時にバクチク、米米クラブ、村下孝蔵・・・)


そんな折、ふと画面に女性が現れました。あれ?女の人になったよ?デーモン閣下じゃないよ?ドレスを着た女性が美声で歌っています。


「女の人だね。デーモン閣下は終わったのかな?」


思わず聞いてみるユリナさん。


「それはどうかな。」


え、ちがうの・・・?画面を見ていたら、見覚えのあるアニメ・・・古い感じの・・・みんな、見たことあるやつ・・・?


と思っていたら、ジャジャーンと閣下が現れます。


「♬さらば~~ 地球よ~~♬」


あ、閣下はアニソンも行くのね・・・女の人もすごく美声だったけど、コーラスなのね?ってやっぱりデーモンかーい!


「♬うちゅ~うせんかん、ヤーー マーー トォーーー♬」


デーモン閣下のカバー、名曲ぞろいなんですよね。ご興味のある方、Youtubeチェックしてみて下さいね^^

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る