声を聴かせて

アントロ

第1話・海の住人

「...はぁ」

「今日は来ないのかな」

「...もう、夕方」

「私に足があればな」

「私が人間なら」

「私が海に囚われていなければ」

「貴方に会いに行くのに」

「リーリア」

「貴方が好き」

「女の子だったって関係ないもん」

「ただ、毎日幸せに貴方と居られたら」

「...それでいいのに」

「リーリア」

「愛してるのに」

「なぜ神様は意地悪するの?」

「前世、何をしたのかしら」

「もしかしたら、前世は海が好きで、人魚になるのを夢見てたのかな」

「でも、今世は...海はもうこりごり」

「人間になれたなら」

「貴方に会いに行けたら」

「ずっと一緒って、笑ってた貴方が好き」

「なんて、一番星に話しかけても意味ないのにね」

「あーあ」

「早く、来ないかな」

「リーリア」







「お待たせ」





「リーリア!」

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