オークだって恋したい!

@majimemamoru

私こんな村いやだ!街に行くさ!

 私の名前はオーク・アンジェシカ 18歳!オーク第一学校を卒業してこの春から街に出て働くのだけれども、、、正直オークって力仕事ばかりなんだよね〜。

 しかも同性の同期達は皆んな卒業と同時に結婚するからやってらんないわー

※オーク族の女性の殆どは村から出ることなく18歳で結婚をし、家庭に入る。


 いーや、それでも私はこの村から出て他種族のイケメンと幸せな家庭を築くの!お父さん お母さん空から見守っていて!

満点の星空に自室の窓から両手を合わせて祈るのであった。


「雅子(まさこ)ーご飯よぉ〜」

「はーい、今行く〜」


 ドタドタと階段を降りるとテーブルの上に豪勢な食事が準備してある。


「雅子、明日から街に行くんだろ?今日はお母さんも張り切っちゃったよ!」

「カエルの姿揚げに毒ヤモリのスープ 七面鳥の丸焼き!私の好物ばかりじゃん!」


 興奮を隠しきれない雅子に下を向き指をクルクルさせながら父が話しかける


「雅子よ本当に街に行くのか?村で結婚して家庭を築くのも悪くないと思うぞ?そもそもオークは他の種族からも一線置かれているし、もし何かあれば父さんは、、、」


 我が娘を想う父の心、目頭が熱くなり娘を止めようとするも好物を前に食べる事に夢中の雅子


「うるせー黙って食え」

娘の態度に涙をポロポロ流しながら食事をする父であった。


食事を終え、部屋に戻りベットに倒れ込む雅子


「げふっ、、食べ過ぎたわ、、、でも今日はよく寝れそう、明日の朝から街に行って仕事をして色んなメンズ達と出会い私のハッピーライフを満喫するの、、、」


 ブツブツぶひぶひと呟きながら幸せそうな顔で眠る雅子(本人はこの名前が嫌いで友達にはアンジェシカと呼ばせている)


だがアンジェシカはまだ知らないこれから起こる現実に、そしてまだ仕事は見つけていないという事に。


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