伝説の暗殺者、異世界で勇者になります
蔵品大樹
異世界への転生
俺は暗殺者だ。
「コードネーム『モーガン』、聞こえてるか?どうぞ」
「あぁ。聞こえてる。どうぞ」
「どうやらボスのチェフは会議室にいると言う情報が入った。どうぞ」
「了解」
俺はすぐにボスのいる会議室に入る。
しかし、そこに暗殺対象であるマフィア組織『アリアン』のボス、チェフ・ロシツキーはいなかった。
「いない…」
「かかったな」
「なっ」
俺は頭から麻袋を被せられ、意識を失った。
「くっ………ここは」
「お目覚めかい?モーガン?」
俺がいたのは、地下の暗い部屋。目の前にはチェフがいた。
「チェフ…」
「ケケケ。お前は組織に裏切られたんだよ」
「組織に?」
「あぁ。いまやお前は組織内でトップの暗殺者だ。ボスのウィリアムは自分の地位をお前に譲りたくないそうで、俺と組んだんだよ」
「くっ、ボスが俺を見捨てたのか…」
「お前は『伝説の暗殺者』って言われてたが、こんなに呆気ない
「人間誰しもミスはある」
「じゃあ、死んでくれ」
チェフはピストルを構え、俺の頭に鉛玉を貫かせた。
「ここは…なんだ?」
次に目覚めたのは、よくわからない所であった。
地面は雲で、周りは黄色い。
「どこだ?ここ?」
「ここは天国である」
俺に声をかけたのは、禿頭の髭を生やしたおっさんであった。しかし、おっさんはなぜか上半身しか見えなかった。
「天国ねぇ…こんな俺でも天国は行けるんだな」
「私は神だ」
「へぇ、神様って実在するんだねぇ」
「それでは、お前のプロフィールを読む。本名、
「それだけか?」
「お前は人間を何人も殺すという大罪を犯した」
「それで、俺は地獄に行くのか?」
「いいや、ここに地獄という物はない。地獄は人間が造り出した創作物なのだ」
「じゃあ俺はどうなるんだ?天国か?」
「否、貴様は転生の刑じゃ」
「転生の刑?なんじゃそりゃ?」
「まぁ、味わえばわかるさ」
すると、俺の身の回りが黒くなり、そのまま落下した。
「うわぁぁぁぁぁ!」
俺はまた、意識を失った。
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