粟沿曼珠の曼談

粟沿曼珠

　レンタルショップでバイトをしていると、AVには嫌でも触れなければならないのです。いや自分にとってはむしろご褒美なんですけど。

　自分のバイト先にはコレの投稿時点で男性が自分含め実質二人しかいない——厳密には三人ですが、別の店舗と店長を兼任している為こちらには全然いません——ので、自然とその役割は自分に多く回ってきます。それもあり、返却されたAVの棚戻しやAVの品出し等の作業がハイレベルなものになりましたが、それはまた別の話。

　オカズの宝庫とでも言うべき職場で、そこで良さげな作品を見つけては某サイトのサンプル画像だったりサンプル動画だったりを眺めているのですが（買うかレンタルするかしろ、はごもっともな意見です）、実際にこうして色々と見てみると面白い気づきがありましてね。

　普段からAVに触れている紳士淑女の皆々様にとってはごく当たり前のことでも、大学生（現時点）の自分にとっては新鮮な世界。そこでの新鮮な経験を、ここに書き記そうと思った次第であります。

　え？　タイトル詐欺？　AVしか合ってない？　粟沿曼珠の曼談はテキトーにタイトルを決めているので悪しからず。

　まずですね、タイトルが恐ろしいくらい長い。なろう系が優しく感じるレベルで長い。

　もうね、50～100——は言い過ぎか——文字くらいのクッソ長い文で下ネタやキモいワードだのフレーズだのが出されておりまして、初見時はドン引きしましたよ。「えー、これ見て中身とかが合ってるか確認せなアカンのかー」って感じにね。

　実際、DVDを処理する際にチェックするんですけど、AVだけは一本あたりに普通のDVDの倍の時間を掛けていますね。

　まあ、なろう系のタイトルと同じ感じなんですかね。タイトルだけで中身をある程度分かるようにしている、とでもいいますか。情報量少なくて、買ったりレンタルしたりして実際に見たら、自分の求めるものでは無かった、的な事態を防ぐ為でしょう。そう考えると長文も妥当ですね。

　これは当然っちゃ当然のことなんでしょうけど、素人が素人じゃないんですよね。いや全部が全部そうでは無いのかもしれませんけど。

　と言いますのも、AVの棚戻しをしていたら、それがたまたま素人ものだったんですよね。タイトルに思いっきり『素人』と書いていて。

　で、「いいオカズになりそうな人いねーかなー？」と思いつつパッケージを眺めるんですよ。すると、あれれ～？　最新作の素人ものなのに前々から何本もAVに出演している方がいらっしゃるぞ～？　顔が特徴的な人なので、間違えてはいない、はず。

　それを知ったら複雑な気持ちになりましたね。まあ当然かという思い半分、騙された気分半分、といった具合に。

　多分ですけど、ガチで慣れていない人は慣れていない人なりの初々しさがあると思うんですよ。で、それに興奮する人もいるはず。その人の思いと性癖を踏みにじっていません？

　まあでもガチの素人を出すってのも問題なのかもしれませんね。プロの方を出さないと何か危険なことが起こる、とか。それだったらまあしゃーなしです。

　出演している女優さんの顔がパッケージと実際の映像で異なるってのも意外でしたね。まあこれも仕方のないことだとは思いますがね。

　例えばぽっちゃり系の方で、パッケージだと体はムチムチだけど顔はそうでもない方が、実際の映像だと顔がパッケージよりぽっちゃりしている、って感じですね。まあ自分はどっちもいけるクチなのでさしたる問題ではありませんが。他にも、実際の映像では垢抜けていない感じとかもありますね。目とか唇とかの感じが。

　でも逆に、パッケージと実際の映像であまり変わらない人もいますね。まあどっちが良いかとかを議論するつもりはありませんが。

　ウチのレンタルショップはド田舎にある為か、ババアものが多く、また体感ですがウチで借りられているAVの5～6割はババアものです。

　自称性癖の坩堝の曼珠ちゃんですが、正直気持ち悪さを抱えつつババアものを処理しております。そうやって棚を見ていると、中になにやらヤバいものを見つけました。

　自分はこういうのはせいぜい50歳くらいまででしょう、という甘い認識を抱いておりました。そしたら70歳くらいの人が出演していらっしゃるというものを見かけましてね。愕然としましたよ。性欲ってある程度の年齢になったら減衰するものかと思っていたのですが、そうでもない人もいるんやなー、と。年齢詐称の可能性もあるんでしょうがね。

　他人の性癖にとやかく口出しするのは駄目だということは理解しているんですけど、それでも口にせずにはいられないです——ソレ需要ある？　と。いや想像してみてくださいよ。自分がオッサンないしジジイの年齢になったとして、70くらいのババアで抜けますか？　自分は無理です。

　名前に注目してみると、たまーに面白いものを見かけるんですよね。実在の人物やアニメのキャラから取ってきたような名前です。

　例えば、某国民的アニメの姉妹から取ったであろう名前から、有名芸能人の名前をもじったようなものまで。後者に関しては最初見た時マジでビビりました。「え！？　　この人AV堕ちしたの！？」って本気で思いましたよ。

　あと名前のシステムが厄介みたいですね。バイト先のパイセン曰く、事務所が変わったら名前も変わるのだとか。まあ顔で分かるのでしょうし、某サイトではちゃんと名前変わる前と変わった後が載っていたような気がするんですけど。

　これはツイッターとかでたまに話題になりますが、コスプレものも面白いですね。タイトルが秀逸ですし。言い方悪いですが、比較的有名とはいえ、話題性がめっちゃある感じでも無い作品の奴もたまに見かけて驚きます。

　直近で一番笑ったのは、まあ撮影時期の問題かもしれませんが、炎上して引退した某ブイチューバ―の奴ですね。引退したから好き勝手できるとでも思ったのでしょうかねぇ。まあでも求める人は多そうに思えます。

　まあ、とりあえずこんなもんですかね。多分他にもあると思いますが、パッと出てこないです。あと裏を取るということも全然しておりませんので、何かあれば遠慮せずご指摘を。そもそも粟沿曼珠の曼談のコンセプトは『テキトーに語る』ですのでね。まあ、何か思い出したり、新しい気づきがあったりすれば、パート2を出すと思います。

　AVに慣れ親しんだ紳士淑女の皆々様には当たり前でしょうし、2年も働いているので自分にとっても当たり前と化してきていますが、知らなかった頃は本当に新鮮でして、AVの空気感というか特徴というか、そういったものを感じられる貴重な機会でした。

　自分は家から近いから今のレンタルショップをバイト先としましたが、オカズが山のようにあるので本当に幸福です。凄い時は頑張って10～20タイトル覚えることもあります。皆もレンタルショップでバイト、しよう！

　最後に言いたいのは、自分は上記のことを糞喰らえと思っている訳では無いということです。商売上の都合かもしれませんし、女優さん本人が希望するのであればそうするべきですし、需要があるなら出すべきですし——そういったことを尊重していく必要はあるのかなーと思います。