見習い魔法使いの世界旅路録
絵之色
第一章 魔王の村
第1色 プロローグ
私が見てきた色はどれもきっと忘れられないほどキラキラと鮮明に輝いて、いつも憧憬の念を抱くほど世界という物が眩しく見える。
情熱に燃える炎の赤も。淡々に揺蕩う水の青も。
燦々と輝く雷の黄も。深々と揺れる木々の緑も。
どんな存在も色がある。人類も他種族も、神すらも、たとえ紙切れに落とされたインクでさえも、私たちは心という色を持って生きている。世界と、生きている。
自分自身のために、私たちは数多の色と世界を求めていく。
無色な自分のガラスの心をきっといろんな色彩に染まっていくことができると知った、あの日から。
「――――よし」
一人の魔法使いが、可愛らしい帽子を抑え、風に向かって彼女は小さく決意した。
私がいつか憧れる、理想の自分を目指すためにも、私は後ろを振り返らずに進む。
私は未来の結末が怖くても明日を怯える理由にはならない。
だって、世界がどれだけ醜く映っても、綺麗だと信じたい心があるから。白い羽が付いた金色の杖を構えて私が持っている
「我、願う。希う。シルフの息吹よ、我が爪先に明日への翼を授けたまえ。フリーゲン!!」
緑色の風が杖と私の周囲で舞い上がると、私は杖にそっと腰を置く。
「さーて、行きますか!」
私は師匠からもらった杖で空を飛んだ。
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