恋か友情か

辻本 寧緒

プロローグ

 キーンコーンカーンコーン。



 放課後、四時を知らせるチャイムが鳴る。



「実はね。貴女の彼氏から、虐められたの。」



 私は、友人にそう告げる。



「え………。」



 友人は信じられないというような表情を浮かべる。



「私は、貴女の彼氏に、指さされて気持ち悪いって言われたの。」



「……。」



 友人は黙ったまま何も言わなかった。



「そんな彼氏が大事なの?」



「私は………。」



 友人は、言葉に詰まってしまった。



 私は続けた。



「別れた方いいよ。」



 友人は、渋ったまま何も言わなかった。



 その後も私は、友人の彼氏に虐められ続けた。



 その事を友人に伝えるも、信じたくないようだった。



 馬鹿らしい。と、思ってしまう。



 自分の友達より、クズな彼氏を優先するんだと。



 呆れた。



 友人は、私の事を友達だと思っているみたいだが、私は違う。



 もうずっと、あの事を伝えた時から信用は失っていた。



 私は、彼女にもう何も期待していない。



「じゃあ。私は言ったからね。」



 そう友人に告げ、私は友人のもとを去った。



 

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