ゾンビ

日本語破綻者

第1話ぞんび

 家の窓から見下ろす町はゾンビで溢れていた。見渡す限りゾンビゾンビゾンビ。

 幸いな事に街の家は見える限りはまだ壊されたりしていないので、家に避難すればゾンビの襲撃からは逃れられるだろう。

 が、いつまでこの状況が続くのかが分からない外に出られないこの状況では八方塞がりであることには違いない。

 ゾンビはあてもなく町をさまよい続けている。

 ゾンビとは一体何なのだろうか。なぜ死者が歩くのだろうか。いや死んでいる訳ではなく、何かの感染症なのだろうか。噛まれたらゾンビになる。いや空気感染であるならば、僕がいつ感染してゾンビになるかも分からない。

 そんな事を考えていたら、僕の意識がだんだんと何かに乗っ取られるかのような感覚にとらわれ始めた。もしかして僕はゾンビになってしまうのだろうか。いやもしかしてではない。間違いなく僕はゾンビになってしまうのだろう。なぜなら無意識のうちに手が動き、僕の顔はゾンビへとだんだんと変貌していっているのが鏡を通して分かったからだ。鏡に映っている僕の顔は笑っていた。

 ドンドンドン!

 ふいにドアが強くノックされた。直後、ドアが開けられ母親が顔を覗かせた。

「あらっ。ゾンビの化粧するの上手いじゃない。これでハロウィン準備は万端ね」

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ゾンビ 日本語破綻者 @mojiuchisyuukann

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