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「宝田・・・流石に避妊持ってきてないでしょ・・・。
今日はここまでで・・・。」
さっきのシャワーの時もそうだったけれど、お互いに触れ合い達した所で止めようと声を掛けた。
そしたら・・・
「持ってるよ。」
と、言ってきて・・・。
こういうことは毎回家でしているし、家以外の場所でするのは初めてなのに宝田は持っているらしい・・・。
それに驚いていると・・・
宝田はサッと装着し・・・
それから、電気をつけたままの部屋の中で私を見下ろしてきて・・・
「他の女の子としてるから持ってるわけじゃないからね?」
そう、言ってきて・・・。
「・・・他の子としてるのかと思った。」
「長峰と結婚してるのにそんなことするわけないでしょ。
結婚してるのに他の女の子としてるとか、そんなのはご法度でしょ。」
涼しい顔はしていたけれど、真剣な顔でもある宝田の言葉に私は深く頷いた。
「それはご法度。」
「離婚するのはご法度じゃなくなったんだね、長峰。」
「私の中ではご法度だけど、世の中そんなことも言ってられないからね!
色んな事情があるし、そういうこともあるとは分かってるもん。」
私がそう言って笑うと、宝田も笑った。
そして、下半身を私の所につけてきたので言う。
「私からしてみたら、こんなことしてるのもご法度だけどね・・・。」
「愛の言葉もキスもしてないから、大丈夫でしょ・・・。
ただ、ここを擦り合わせてお互いに張り合ってるだけ・・・。」
宝田がそんなことを言いながら、私の中に一気に入ってきた・・・。
明るい中で久しぶりにして・・・。
暗い中では涼しい顔をしているように見えた宝田の顔は、何かを必死に我慢しているような顔に見えた・・・。
「宝田、気持ち良いんでしょ・・・?」
「まだ、全然・・・。
長峰こそ、今・・・入れただけでなったよね・・・?」
「それは・・・気のせい・・・っ」
今日もそんな会話をしながら、そんな張り合いをしながら、宝田は腰をぶつけてくる・・・。
本当は、凄く気持ち良くて・・・。
宝田が指摘したとおり、入っただけで達してしまった・・・。
それくらいだった・・・。
それくらいに、私の中は宝田の身体に慣らされてしまっていて・・・。
そして、宝田の身体だけが合うようになってしまっていて・・・。
それくらいだった・・・。
それくらいに、私は・・・経験がなくて・・・。
宝田以外の人とは、経験がなくて・・・。
宝田とだけしか、したことがなくて・・・。
それくらいだった・・・。
それくらいだった・・・。
それくらいに・・・
それくらいに・・・
当たり前かのように・・・
当たり前かのように・・・
好きだった・・・。
愛はない結婚をした相手のことを、私は好きだった・・・。
永遠に愛はない結婚・・・。
永遠に愛を囁かれることはない結婚・・・。
永遠に唇が重なることはない結婚・・・。
幼馴染みで、犬猿の仲の私達・・・。
そんな私達が結婚をした・・・。
売り言葉に買い言葉で、結婚をした・・・。
「俺、子どもなんていらないから・・・。
ずっと、いらないから・・・。
別にいいよね・・・?
それで、こんな感じで一緒にいればそれでいいでしょ・・・?」
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