ホッとラテ。
宇未
第1話
これは今では全国(いや、世界中か。)
どこにでもあるスターバックスでのお話。
スターバックスラテを頼んで、受け取ったラテに
ミルクでハートが描いてあると、
なんだか嬉しくなってしまう。
チェーン店で、きっと学生であろうアルバイト君が一生懸命つくってくれた一杯。
「お待たせしました」って
一瞬目を見てすぐにそらしてしまうから
ちゃんとお礼を言えないんだけど。
スターバックスのシグネチャーは、
その名前がついたスターバックスラテ。
なんだけど、超がつくほどの合理主義者の私は
「たかがミルクコーヒーにこんな金額出せるか!」
と頼んだことがなかった。
スターバックスでアルバイトを始めて、
バリスタとして働くうちに
この”スターバックスラテ”の価値を知った。
エスプレッソマシンから出てくるコーヒー豆から圧縮されたエスプレッソは
綺麗な三層のグラデーションになっている。
一番上の層は薄茶色でクリーミーで、
ものすごく美味しそう。
賞味期限はたったの10秒。
苦いんだけど、焙煎のナッツのような香ばしさ、
お砂糖を焦がしたカラメルのような甘さもほのかに感じられる。
イタリア人がエスプレッソバーで、
この濃縮液の小さな一杯を頼んで
お砂糖を入れてグビッと楽しむ理由がよくわかった。
そうそう、
ラテといえば肝心なのが大部分を占めるミルク。
スチームされて、ふわふわで、きめ細かい泡。
この泡がボコボコだと、
お金返せ!って言いたくなるほどラテの要。
そして、ラテアートをするにはこのスチームが上手じゃないといけない。
だからアートして出してくれる人って
スチームするところから気合が違う。
完璧に完成されたミルクで、
カップというキャンバスに丁寧に描いていくアート。
綺麗に仕上がったラテを見たら、
払った価値があったなぁって超合理主義でも思ってしまう。
冷めないように、素早く記念撮影したら。
アートが崩れるのを名残惜しく感じながら、ふわふわクリーミーな一口を楽しむ。
この瞬間がたまらなく幸せ。
ホッとラテ。 宇未 @umichoco239002
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