第29話 詳細

「其方がよくとも儂が其方にテイムされた理由を知りたくなったぞ。エルドラード。鑑定のスキルを持つ者を連れてきてはくれんか?」


「それならこの場にいたはずじゃ」


話をしていると1人のエルフが前に出た。そして金色の瞳で私のことを見つめると。


「ダメです。おそらくユニークスキルのため詳細まで見れませんでした」


どうやら私は鑑定されたらしい。エルフの目は緑色に戻っていたので今は鑑定を解いているのだろう。


「なら看破持ちならどうかのう?」


ドリアード様はあきらめがつかないらしく、次の案を出す。エルドラードさんもそれを断ることはしないみたいだ。


「どうせだから私が見よう。皆の者、私がスキルを使うので後のことは頼んだぞ」


私はその言葉になんとなく不安を覚えたが、拒否権など存在するわけもなくエルドラードさんの瞳が金色ではなく真っ黒になった。


「ひっ」


私は思わず悲鳴を上げてしまったが、それで終わることもなく私の中の何かを覗かれている気分になる。


「エルドラードのスキルは、心眼じゃ。その効果は相手の情報をもれなく読み取ることができる代わりに一定時間動けなくなるし日に1回しか使えぬ。相手にも見ているということがバレるし使い勝手は悪いが身内に使う分には重宝するスキルじゃ」


私の悪寒が消え去り、エルドラードさんの目も正気に戻ったようになっていた。そして、意識はないようだがエルドラードさんが小声で話し出す。


「スキル【友達の輪】は信頼度が一定以上の者に対して信頼と魔力を受け取る。代償は存在しない。また、スキルを使用した者と信頼度が一定以上のものを巻き込んで信頼と魔力を受け取る。効果の詳細としては友情のようなものが芽生え、お願いを聞き遂げたいと思うようになる程度だ。そこにテイム関係はないがステータスの関係上、スキルで結ばれたものをテイム欄に記載する」


言い終えるとエルドラードさんは気絶した。そこでドリアード様が話し出す。


「強力ではあるが、強制効果でもないため使い勝手の悪いスキルじゃな。契約内容も従属ではなく友達程度、名前の通りのスキルじゃな」


「それでドリアード様の行動は私のスキルの結果かもしれませんが私たちについてきてくれますか?」


「まあ悪い気はしないしのぅ。それにここでの生活も飽きてきたところではあるし、清美についていくぞ」


ついてくると言っている妖精たちもうんうんと頷いている。エルフたちはエルドラードさんと話をしなければ協力できるかは分からないそうで、拠点に顔を出すかもしれないと言っていた。


こうして、私たちは妖精の力を借りることになった。

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