第16話 ドワーフの里

次の日、まずは砦の作成に必要な石材、鉄材などの素材を融通してもらうためドワーフの里を訪ねた。


第2ダンジョンには既にピクシーとウルフが見張りに向かっており、何かあれば連絡が来るようになっている。連絡の方法はピクシー同士は念話が使えるので、それで緊急連絡を取るようだ。


私の護衛はドワーフの戦士とウルフ4匹だ。子供たちも狩りの練習についてきている。そんな大所帯でドワーフの里を尋ねたためか、ドワーフは警戒して洞窟の門を閉ざしていた。


「私だ。ドワーフの戦士長のガルフだ。私たちを仲間にと引き込んでくれた者たちを連れてきた。村長と話がしたいため門を開けていただきたい」


「なに?ガルフ殿は鉱山の護衛に出発していたのではないのですか?」


「そこで食料問題を解決するために我々とハーフリンク、それにピクシーを集めて拠点を作るという話になったのだ。我々戦士たちはそこの確認へ向かっていたが問題が発生したため里の者にも協力を仰ぎたい状況となったため、戻ってきた」


「長に話をつけてくる。少しの間待っていてくれ」


その間に今回の要件を確認する。話すことのできないウルフたちは子供たちの狩りの練習のため洞窟の外に出て行ってしまった。


「今回の目的は、まずはこの里の住人に私がテイムしたことを知らせることです。何も仕様が分からなかったとはいえ知らせる義務が私にはあると思います」


「それには賛成だ。隠し事をしてもいい関係は気づけないからな」


「そして、今回の大きな目的である砦建設のための人材と物資を融通してもらうことです。対価として渡せるのは食料だけですね。ウルフのテイム数を増やすことができれば護衛をつけることもできるでしょうけれど」


「ウルフはちと難しいな。オークやオーガへの対策にどうしてもテイムで強化されたウルフが必要だ。なんなら戦力と交代要員としてもっと数が欲しいところだ」


「ウルフが増えるとその分、食料となる魔物を狩る必要が出てくるんですよね。今は嬉々として子ウルフたちが獲物を狩ってきてくれますけれど、大人になると戦力として数えたいところではありますし」


「ん?清美嬢はウルフについて詳しくないのか?ウルフの成長は早くて大人になるとすぐに子供をポンポン産むぞ。だから子ウルフがいなくなることはないと思うぞ」


「それはそれで餌の問題が出てくるのですが・・・」


ここまで話をしたときにしまっていた門が開いた。


「ガルフ戦士長、長より入場の許可がでました。しかし、ウルフは許可が出なかったため。あれ?ウルフもいましたよね?」


私と戦士長は笑いあった。


「ウルフは子供たちの狩りの練習で外へ向かいました。門番さんが外で待機するように言ってくれればいうことを聞いてくれると思います」


「そういうことであれば。では案内させていただきます」


門番さんは敬礼して見送り、もう1人の門番さんに私とガルフ戦士長はついていった。

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