第13話 収穫と食事
オークがダンジョンの外に出ていたことを思い出した私は、兄を連れて第1ダンジョンに向かい、ウルフ5匹を連れて第2ダンジョンへ向かった。
ウルフたちも疲れているのか眠そうにしていたが、第2ダンジョンが近づくと目が覚めたようで地面のにおいをかぎ始めた。
「どう?オークがいる?」
私が近くのウルフに尋ねると、ウルフは首を横に振る。他のウルフたちも確認できなかったのであろう。ゆっくりとした足取りで私のもとへ戻ってきた。
これ以上確かな捜索もできないため、とりあえずオークはダンジョン外へ出ていないと仮定してウルフたちを第1ダンジョンへ連れて帰り、私たち兄妹は家へと帰った。
帰った後、疲れ切っていた私は夕食も撮らずに眠ってしまった。ちなみにお風呂はガスの節約のため数日に1回となった。今日はお休みの日だ。いろいろなことがあり疲れたので入りたかったのだが仕方がない。
次の日、まずは第1ダンジョンへ向かうと、拠点にはドワーフたちが来ていた。そして二十日大根を食べていた。生で。
リン君曰く。
「食料が尽きて今にも倒れそうだったので分けちゃいました。清美さんが持ち込んでくれた種からとれた食料なのに勝手に分けちゃってすみません」
「構わないよ。昨日花までついていたってことは種がとれたんでしょ?だったら十分在庫があるでしょ」
「それはもちろんです。実はおいしそうだったので僕たちハーフリンク族も食べちゃいました。おいしかったですよ」
そういってリン君は二十日大根を差し出してきたので、私は遠慮なくその場で食べた。久しぶりに食べた新鮮な野菜はとてもおいしかった。
そこへピクシーの長が私の目の前に止まった。
「それで花を種は貰ってきてくれた?」
私は思わず「あっ!」と言ってしまった。それだけで伝わったらしくピクシーが集まってきて「ないの~?」の大合唱だ。
私は急いで個人商店へ行き、花の種を貰ってきた。ちなみに二十日大根は作りすぎたのでおすそ分けしてきた。あまりにも早い成長に店主は驚いていた。
花の種をもらって第1ダンジョンへ戻ると、拠点ではなく入口でピクシーたちは待ち構えていた。
「待ってたわよ。じゃあ種を頂戴」
「ここじゃなくて拠点でね」
私が意地でも渡さないことを察したのかピクシーの長は舌打ちをしつつ、大人しく拠点まで一緒についてきた。
その後の展開は二十日大根の時と一緒だ。
ハーフリンクとピクシーたちの魔法で種はすぐに芽をだし花を咲かせた。ピクシーたちは大喜びで蜜を吸い始めた。
その蜜を奪いに蝶の魔物が近くまで寄ってきていたがウルフたちが追い払っていた。
その日は第2ダンジョンの調査へ向かうつもりであったが食事の最中くらいはそっとしといてあげようと思う私であった。追い払うのはウルフたちだが・・・。
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