雲の世界をともも歩く

@stnso240

第1話

「なんだよ、このクソシステム」

「そんな泣き言いうより手を動かせ」

「すいません」

自分は小さく頭を下げると、目の前のPCに目を移した。

自分は集中して今回の障害発生個所を探すために

システムのログを確認していく。

夜22時、東京、新橋にある高層オフェスビルに一室は

キーボードを叩くタイピング音だが響いている。

重苦しい沈黙は続いていたが、オフェス全体から、PCメールの着信音がした。

今回の案件のSIerから本日の障害については、明日の9時までに

解消するようにとの催促メールだった。

「今、メールが来た通りだ。徹夜確定なので一旦皆1時間ほど休憩しよう。」

そういうと、社長兼案件のリーダーである伊藤は数人を引き連れて喫煙室に

向かった。

自分も大きく伸びをして、息を吐いた。、

「田中、今のうちは晩飯を買いに行こうぜ」

向かいのデスクの福屋が声をかけてきた。

自分は返事をすると立ち上がり、一緒にオフェスで出ていく。

「そっちは何かあった?」

福屋は。コンビニに降りるエレベーターの中でダルそうにしている。

「いや、何も

前回の障害箇所周りではなさそうだけど」

「この時間に障害箇所すら不明となると、明日。

の9時までとか

無理だろうな」

福屋はつぶやいた。

自分は、スマホでニュースサイトを確認すると今回の障害について記事になっていた。

その記事を見てみると、1か月で2回目の大型システムの障害であること。

その影響が銀行ATMにまであったことについてかかれていた。

コメント欄の方を目を通すと、お金が引き落とせずに困った、

クレジット決済ができず不便などの怨念の声からここぞとばかりに

大手銀行批判を始める過激なものまで様々であった。

「ネットもすごいことになってるうよ:

僕は福屋に声を変えると福屋もチェックしたようで

「これで明日朝にも復旧しませんでした、とかなると

大変なことになりそう」

とさらに暗い声でいった。

{そもそも。今回の開発からかなり無茶な内容だったし、

こうなるのは当然だよな。」

福屋や不満そうにいった。

そう。今扱っているシステムは大手金融機関の基幹システムである。

それも、PCが一般的になる前から存在しており、必要な機能があると

その都度つぎはぎのようにシステムを追加していったものである

そして、今回の新機能追加案件ではその処理を高速化してネットにも対応できるように

しようとした計画だった。

しかし、エンジニアから見ると、ネットに対応するにはシステムが

処理能力不足であることはわかりきっていた。

そんな仕事を営業ができますの一言で受けてきた時はびっくりした。

ついでに、呪いの言葉をかけたくなった。

しかし、システムに詳しくなく数字命の営業からしてみたら、大手金融機関の

案件なんで大口契約はのどから手が出るほど欲しいだろう。

しかし、僕ら技術屋からしたら大ごとだ。

ネット対応させるとシステムが壊れてしまいかねない案件に対応するだから

こんな時に断ることができないのが下請けのつらいところだ、結局僕らは

半年は渡る無理は案件をやっと終えたばかりなのに障害対応をしているのだ。

コンビニについた僕たちは、手早くおにぎりやパンを購入すると

オフェスへともどっていった。

オフェスではみんなかなり疲れきった顔をしていた。

デスクに顔を伏せて寝ているものや懸命にどこに障害があるのか

議論をしているもの

一様であった。

僕と福屋はかなり遅い夕食を終えると、デスクの椅子に座ったまま浅い眠りについた。


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