何もしない残業。

「これも仕事のうちだよ」と断れない感じを出してくる。あまりにも「仕事以外」の部分が多すぎる。


 働かない人の何割かは、そういうのが嫌なのではないかと思う。求人情報誌に載っていない部分、就活だ、飲み会だ、結婚なんかの祝いに幾らか包むなど、「仕事のうち」なのに、事前に何も教えてくれないのである。


「自由な服装とありますが、スーツ以外有り得ません」

「月に一度は飲み会があり、出席しないと快く思われません」

「祝いのたびに数千円徴収します」


 最初から書いておけ。


 残業なんかもその類だ。

 入ってみたら話と全然違うなんて、あるあるネタどころじゃない。日常茶飯事だ。ネタにもなりゃしない。


 私は今日、何もしない残業をする。

 全員が帰った後に、工事が入るので、その立ち合いである。サインぐらいはするだろうが、資料一枚作るわけでもない。数時間も「何もしない」のである。Twitterを見ててもいいし、漫画を読んでてもいいし、最悪、寝ていても構わないだろう。サインの瞬間に起きてさえいれば。誰がやっても構わない雑用なので、一番下の私がやるわけだ。


 なんだ最高じゃないかと言われそうだが、それは残業代がキチンと支払われたらの話だ。

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