第7幕 カースト上位者

今日の小田の顔は傑作だったな。

あいつは良い踏み台だ。

実は元カノが係長によく指名されてたキャバ嬢、アサちゃんってこと知ったら余計ショックだろうな。


まあそれで自殺でもされたらこれからの楽しみが無くなるから、言わないでいてやるか。

係長もゾッコンだったくせに男がいたって聞いただけで、死んでいい気味とか言ってたっけな。

あのオッサンも調子がいいよな。


俺は昔から何でもできたし女からもモテた。

その中で1番重要なのが何も出来ないクズを使うことだ。

クズを近くに置くだけで俺はより良く目立つことができたし、万が一なんかあってもそいつらのせいにもできた。

クズより俺の方が信頼されてるからだ。

なんていい人生なんだ。


今の会社なんて数字すらあげれば金はいくらでももらえるし、そろそろあのスカンクに変わって俺が係長かな?

他の先輩社員も出来損ないばかりだ。

蝿川も内心必死こいてるだろうが、あんなカス野郎には負ける気がしない。

小田より上だと思ってるが俺からしたらあいつらも同じクズだ!

これからどんどん出世してやる!


だが、それよりも1番の問題は魚月ナツキだ。

子供がほしいってうるさいんだよな。

まだ俺は遊んでいたいのに…。

まあそれなりに可愛いから別にいいんだけどな。

さて今日は何して可愛がってやろうかな?


「ただいま。魚月、飯あるか?」

返事がない。


「……………。」


「おい!魚月。いないのか?」


「……………………。」

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