#01 始め有るものは必ず終わり有り 前編
「お前は行かないのか? 」
「いや、俺はいいや。お前らで行ってきていいぞ」
「もったいねぇな……。折角待ちに待った『月イベ』なのに」
そう。
今日は一ヶ月に一回ある『コロッセオ杯(通称豪遊クエスト)』前日だった。
豪遊クエストでは、期間一ヶ月の間に防具やアイテム、使い魔厳選を行い、イベント当日にそれらを駆使して一VS一にて闘い、優勝を競うゲームだった。
優勝することにより、優勝レイの他に限定アイテムが賞品としてゲット出来る。
賞品がチートアイテムの時もあれば、ゴミアイテムの時もある。
そればかりは、優勝しなければ何が貰えるか分からないガチャだ。
しかし、そのガチャを存分に楽しみ、好んでいるプレイヤーが多いからこの
人のことは一切言うことが出来ない。
そういう俺も一時期は寝ることも忘れ厳選を続けていた。
俺も元は廃人だった。
今は違う。
無理なく楽しくゲームをプレイしていた。
勲章のように残った孵化余りとハズレガチャのみがチェストに残っている。
俺はそれを見て悔やむことはないし、恥じることはない。
今日がコロッセオ杯エントリー期間最終日だ。
参加にはオンライン上での専用プラットフォームにて、エントリーシートの記入が必要だった。
しかし、エントリーする際の本人確認がなく、別人であってもIDとメールアドレスがあってさえいれば意図的に他人をエントリーさせることが出来る。
今ではバッドマナーとなっており、最悪垢BAN対象になっているためやる人は減ってはいるが、イタズラとして捨て垢での違反が絶えなかった。
そのようなことを早期に対応しないクソ運営もクソ運営だと思うが。
今日の日付変わりにアップデートが入る。
パッチノートも公開されており、今回のコロッセオ杯からVR対応になるらしい。
その他細かな修正は入るが大きな変化はそれくらいのようだ。
このタイミングでアプデを入れる運営マジで頭がおかしいとすら思っていた。
ランク当日に環境を変えてしまっては、ゲームをプレイした者勝ちになり、相当なクソゲーに成り下がるっていうのに。
先にバグに気付いていれば、グリッチだって使い放題の無法地帯になりかねない。
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