第七話獣人の毛並みとポーションの力ってすごい!
翌朝、アギトと一緒に冒険者ギルドに来ていた。
道中冒険者ギルドの説明を受けた。
ランクなどは無く戦えるものは例外なく全員登録するものらしくそこで必要なものを申請して許可された物はなんでも支給してくれるらしい。
ちなみに申請しなきゃいけないのはそれなりに特殊なものらしく持っていける数に限りはあるがポーションは常設されているし武器や道具、防具も常設されており自由に持っていけるようだ。
当然ながらとんでもなく大きい鉄の塊が欲しいと申請してもてつが貴重だから無理なのはわかる。
それがあれば無双できると思うのだが、残念だ。
どうやらこの世界、本当に助け合いで繋がっているらしく金という概念もなく自分なりにできることを冒険者が考えて町の外から物資を手に入れたり他の国や村、町に物資を送りあったりしてなんとかやっているようだ。
ギルドに登録した後ポーションを三つと水筒、バールにスコップを何本かを借りた。防具は着慣れていない俺がつけても動きが阻害されるだけと判断して武器はそんなもの素人が振り回したら危険と判断して持っていかない。
俺なんかがある程度の守りを固めても死ぬときは死ぬし武器はバールとスコップ、それと鬼から奪った大きな鉄の棍棒これだけあれば十分だ。
呆れているアギトに今更ながら思い至ったことを聞く。
「そういやさ、なんかあの時慌ててその場の魔物のしたいやら持ち物やらアイテムボックスに放り込んであるんだけどこれって納品したほうがいいのか?」
「ん?お前逃げ帰ってきただけじゃなくてしっかり倒して帰ってきてたのか?そういやレベルも上がってるし新しいスキルも入ってるな。すげぇなお前!おし!カウンター行くぞ!」
アギトもやっぱり子供達と同じように思っていたのか。
いきなりの上機嫌に驚きながらも嬉しく思った。
カウンターに棍棒以外の戦利品や鬼どもの死骸を山済みにするとアギトがあんぐりと口を開けて驚いた。
「すげぇな!まともに使えそうなスキルもなかった上にお前素手だっただろう。レベルだって低かったのにまじすげぇな。こんな無茶をしやがってと怒りたい反面純粋に驚いたぞ。」
すごい興奮の仕様だがそれも無理がないことなのは俺にもわかる。人格が入れ替わっていたとはいえ正面で対面して攻撃された。
あれは正真正銘異形のモノだ見るだけで障る、そんな存在だった。
それをレベルの低い戦闘系スキルのない素手の人間がこれだけの数討伐して見せたのだから驚くのも当然だろう。
これで少しは安心してくれるといいんだが。
「小鬼の短剣や弓矢はわかるけど死骸なんか役に立つのか?」
「当然だ!魔物の部位に役に立たぬものなどない。それよりお前のジョブの習得スキルは一般のものより随分と優秀なようだな!」
その言いようから察するに普通より俺のアイテムボックスは容量がでかいようだ。ちなみに現在の俺のレベルは26増えたスキルは人格切り替え、状態異常無効、身体操作、生活魔法(ライト、クリーン、エアコン、トーチ)相変わらず攻撃的なスキルは手に入らなかった。
しかも身体操作とかなんの役に立つのかもわからん。
「そういえばシロナはなんのジョブなんだ?」
俺が今更そんなことを聞くと困ったような言いづらそうな表情で白魔術師だと教えてくれた。
なんであんな顔をしたのかわからなかったがもしかしたらではなぜ誘引なんてスキルを持っているのかという話に繋がるのを嫌がったのかと予想して納得した。
「実は俺も一応白魔術師なんだけど攻撃スキルも回復スキルもないんだよな。だから俺のジョブについてはよくわかんねぇ。でもシロナが普通の回復スキル使えるならめっちゃ助かるな!」
安心させるためにわざと上機嫌に振る舞ったが本心でもある。
ポーション以外に中距離攻撃、回復魔法が使えるなら本当にありがたい。
安全マージンが取れる分無理もできる。
それにこれは不謹慎だから言わないが誘引も役に立ってくれるだろう。
レベリングはもちろんのことその倒した獲物も大量に手に入る。
魔物はどうやら素材として役に立つみたいだからな。
冒険者ギルドを後にしようと出口へ振り返った時のことだ。脳内に声が響いた。
『おいおい、相棒。いざって時には俺と体入れ替えて戦うんだから俺に相談の一つでもしたらどうよ?』
いや、お前と話せるとかしらねぇよ!それとスッゲェ嫌な予感するんだけど!?
『何をいうんだい相棒俺とお前の中だろ?信頼していいと思うぜ?とりあえず釘、針、毒、針金、ナイフ、をもらってこい。後身体操作で胃液の濃度を濃くしてアイテムボックスに保管し続けろ。いいな?死にたいなら備えなくても構わないがね。くぁっはっは。』
言うこと聞くしかないのはわかっているが胃液の濃度を濃くして貯めるってそんなことできるのかよ身体操作ってそんで持って多分めっちゃ辛いよなそれ!
『愚かだねぇ!未熟だねぇ!くぁっはっは!ちなみに忠告しとくがアイテムボックスは自分で持っているって認識がねぇと使えないからな俺はうまく組み合わせて使ってるけど俺と同じことができるとはまだ思わないほうがいいぜ。』
わかったよ腹を括るさ畜生め!
「ジン、どうしたの?」
心配そうにシロナがこちらを見上げる。シロナの身長はほんの少し低いほうだから180ある俺と比べるとどうしてもそういう風になる。
非常に庇護欲がそそられる。
「いや、気を引き締めていただけだ。」
そう言って頭を撫でた。うわっ。フワッフワでサラッサラ。
ずっと撫でていたい。
「よし、行くぞ!二人とも!」
名残惜しいが仕方ない。
さあ行こう!フサフサ、サラサラな頭をもう一度撫で回すために!
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