足元にあった石ころを手に、収納しようと意識してみると、パッと消え異空間に収納された事がなんとなくわかった。

「石ころなんか収納してどうすんのよ!異空間収納ボックスの容量なんてたかが知れてるのに、馬鹿じゃないの?」

 スキルを確認しただけで、馬鹿にされるのは気に入らないが、そんな事よりも気になる事を言ってくれたな。

「なぁ、大体どの位の容量が普通なんだ?」

 他人ひとを見下す事に慣れた貴族様を無視して、頼れる兄貴のガレオに質問する。

「そいつの魔力量によるけど、大体が俺が持ってる背嚢バックパック一つ分だな。伝承じゃ勇者様で三つ分だったか?」

 やっぱり、違うスキルみたいだ。俺のはがついてたし。それにしても勇者で三つ分とか笑えるな。この世界の神様って意外とケチなのか?

 まぁ、収納チートでも厄介事に巻き込まれる可能性はあるから、秘密にしておこうと先程収納した石ころを取り出してみたのだが、少し扱いにくいと感じた。

 意識すれば勝手に出てくるのだか、なんせ容量が無限なので、中に何が入ってるか忘れると取り出せなくなる可能性もある。

 という事で、よくあるゲームのストレージの様にカスタマイズしてみたのだが、異空間無限収納ストレージの中に[手紙]なる物が入っている事に気がついた。

 疑問に思いながらも、取り出してみると、目の前にウィンドウが現れた。


拝啓 相楽 蒼獅様


 ヤッホー!みんなのアイドル創造神だよ!

 突然の異世界転移はどうだったぁ?日本のラノベって面白いよね!!

 という事で、実際勇者召喚とか色々やってみたんだけど、どれもこれも思ってたほど面白くなかったから、今回はチートなんて無しで異世界にぶち込んでみたよ?

 いきなり死なれても面白くないから、ちょうど僕の神殿に来てた現地人を利用させてもらったから、頼ってみるといいよ!

 特に使命なんてものはないから好きに生きて、僕を楽しませてくれる事を期待してるよ!


                 創造神より

追伸 特別に君自身の強さステータスを見られる様にしておいたから、活用してね!


 俺が内容を読み終えたと同時にウィンドウが閉じ、手紙の項目が消えてしまった。

「いきなり怖い顔してどうしたの?」

 理不尽な手紙の内容に対する怒りが顔に出てしまっていたのか、アリアが心配そうに聞いてきた。心なしか顔が青褪めている様な気がするけど?

「あぁ、大丈夫。何でもない」

 悪いのはクソったれな神達で、コイツらには何も関係がないからな。

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