第30話 始まりの時
「流石じゃのう!流石じゃのう!」
「...お二人とも、やりすぎです。」
女神と魔王。その二人が並んで、二人の目の前に立っていた。
「暇だからってわけじゃないんじゃ」
「
「お主らの戦い、いや蹂躙劇か?見させてもらったぞ。」
「私達の言葉を、聞いて下さい。」
そうして、二人は語り始めた。
「貴方達の戦いは、まるで戦の神のごとく。」
「その動作一つ一つは、まるで魔の神のごとく。」
言葉が紡がれる。呼吸音すら憚られる静寂の中で、俺たちは得も言われぬ心地よさを感じていた。ステータスを確認すると、称号が増えていた。魔王と女神の寵愛を受けし者。その効果を見て、俺は愕然とする。こんな効果の称号をこの時点で付与するなんて、運営は何を考えているのだろうか。
「武と魔を修めし心二つに身は一つの二人。その二人に私からの寵愛を。」
「秩序と混沌を併せ持つ二人。その二人に私からの寵愛を。」
ただ嬉しかった。NPCと言えども強者から認められるというのは良いものだ。自然と口角がつり上がっていくのを感じる。ふと隣に視線を向けると、今の自分と同じ貌をしている女が見える。
「「今その時来たれり。」」
その言葉が発された瞬間、空気が変わった。
「「我らが手を持ってしても、封印が限界だった王国の悪夢。知の邪神ミチザネ。武の邪神マサカド。愛の邪神シラミネ。ここに封印は解かれた。お主らで討ってみせよ。さすれば道は開かれよう。」」
鳥肌が立ったのに遅れて気づく。
「今こそ名乗ろう。第一女神・タマヨリ。」
「今こそ名乗ろう。第一魔王・イザナミ。」
「「ここに宣言する!
<
<現魔王が自動的に真之魔王に変化します>
<現魔王の配下に第一魔王イザナミが追加されました>
<秘匿通知・条件達成を確認しました>
<秘匿通知・条件達成を確認しました>
<秘匿通知・条件達成を確認しました>
<秘匿通知・
WBOにとっての、エンドコンテンツとすら言うべき物が始まってしまった。
______________________________________
「...ハハハ、最高じゃねえか。」
乾いた笑いが込み上げてくる。やっぱり俺は平穏な日々は過ごせないのか。
「私達なら、殺れるでしょ?」
そんな考えは、悪い笑みを浮かべているこいつの顔を見ただけで吹き飛んでしまった。
この世界は自由だ。
自由とは時に不自由を生む。
俺たちはもう誰にも止められない。
今見せよう。目立たぬながらにも大胆に。
暗殺魔王の蹂躙劇を。
______________________________
そろそろPV4000行くます...
最高だぜええええええええええええええ!
みんなありがとう!!!!!!!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます