第24話 人外連合の影響力

俺は緋月翼。WBO内では<黒兎>と呼ばれている情報屋だ。

金さえ積めばなんでも情報を売ってやる。これが俺のスタンスだ。

今日はクラン総戦闘力ランキングに変動がないかを確かめている。近いうちにデカい祭があるみてーだってのはお師匠様から聞いたからな...そのへんも考慮に入れた上で調べなければ。


「<空筆>」


ある宿屋の一室で俺はスキルを発動する。情報帝の特殊サブジョブ、<記者>の専用スキルである。これは文字通り空中にメモをとることができ、そのメモはスキルに保存させ、いつでも好きなときに呼び出すことができる。他にもたくさんスキルはあるが、これらのスキルはある制約によって成立していた。


それは、こと。俺にとってはさほどのデメリットでもない。


ホームを開き、ランキングをタップ。すると、そこには予想とは違ったクランが一位に君臨していた。

「人外連合ッ!? 詳細表示ッ!!!!!!!!」

その下に元トップの聖女親衛隊、2位の帝王旅団と続いているのだが...


「リーダー時鳥!? 誰だこのプレイヤー!?」


すぐに情報帝ジョブの奥義を使用する。これは他のプレイヤーに漏らせばペナルティを受けることになるが、その個体が自分よりレベルが高くない限りそれついての完全な情報が得られるというもの。

黒兎のレベルはLv.13(+198)。上限突破して人外になることができることがまだトップ勢すらわかっていないからこそこのスキルに俺は絶対の自信を持っていたのだが...


「鑑定不能!? そんなわけがないだろう! チーターかっ!!!」

直様運営AIに報告するが、仕様の範囲内で成長したとの返答がある。

「メンバーならば鑑定ができるかもしれない! 取り敢えずメンバーを参照して...」


メンバー

・時鳥(クランリーダー)

・海鳥(サブクランリーダー)

・ファル・アルカディア

・死神

(貴方は招待を受けています)



「お前らかよぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」


直様俺は招待を承認した。

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